幌馬車2台の道楽日記

okuruma.exblog.jp

Peugeot306CabrioletとPorscheBoxster987のオープンカー2台生活だったのがBoxsterを手放したので本当は1台だけ、といいつつただの旅日記かも

ブログトップ

岐阜・滋賀の洋館探訪(後編)

お盆休みの洋館巡り2日目は、滋賀県の東近江市へ。
東近江市は、平成の大合併で最終的に1市6町が合併して生まれた自治体ですが、今回見たのはその中で唯一の市であった旧・八日市(ようかいち)市の市街地です。

まず見たのが、近江鉄道の新八日市駅舎。
大正2年に湖南鉄道の八日市口駅兼本社として建てられ、その後、新八日市駅と名前を変えたり合併を繰り返して、現在に至っています。
確かに八日市口というだけあって、市中心街からは少し離れていますが、旧本社屋も兼ねていただけあって立派な建物です。

d0054855_9321717.jpg


黄緑というか萌黄色に塗られた下見板張りの2階建てで、2階は上げ下げ窓多く明るそうですが、駅員はおらず(朝だけはいるようです)、立派な庇に反してかなり痛みが進んでいるようです。

駅舎をバックに、306の写真もパチリ。 窓も降ろしておけば良かった・・・。

d0054855_9381961.jpg



次いで、市中心街に向かっていくと、右手に旧湖東信用金庫本店があります。
大正9年に県農工銀行八日市支店として建てられた建物で、一見すると鉄筋コンクリート造りに見えますが、実はレンガ積みの建物にモルタルを塗って、そのように見せています。

d0054855_9444548.jpg


後の改装で飾り気のないモルタルの外壁になったそうですが、実は、外壁は当初タイル貼りだったとか。 屋根上に飾りのように緑青銅板が貼られているのが、いいアクセントになっています。
店内は2階建てですが、当初は銀行の定番である吹き抜けだったところに、後から床を張ったようです。

d0054855_9563835.jpg銀行としては数年前に閉店し、数十メートル離れた新店舗に移転していますが、背後の増築部だけを解体撤去する工事をしていたので、何かに活用されるのかも知れません。
今(2009年8月)なら、建物背面にレンガの構造体が確認できます。





この銀行の向かいから本町商店街のアーケードを進んでいくと、左手に瀟洒な住宅が現れます。
昭和9年築のヴォーリズ建築という、旧住井歯科医院です。

d0054855_10101011.jpg


真っ白でなく暖かみのある外壁の建物といい、レンガを組み込んだ塀といい、いかにもヴォーリズですが、現在は個人住宅として使われています。

滋賀レトロによると、この他にも井田歯科医院という旧八日市郵便局があったそうですが、建て替え工事中でしたので、残念ながら解体されてしまったと思われます。






この日も名神高速は渋滞していたようですが、田園地帯や旧市街を通る一般県道はスイスイ。
国道8号の渋滞を避けて旧中山道も通ったのですが、鳥居本などの旧街道の雰囲気はいいものでした。 実は、洋館の次は宿場町や旧街道巡りか、と思っています。


次に向かったのは、米原市の醒ヶ井宿。
中山道の宿場町だったようですが、小さいながらもその雰囲気が残っていました。
湧水がこんこんと湧き出し、宿場街の中を用水路のように流れています。

d0054855_11133220.jpg


d0054855_111508.jpgその用水路の中に梅花藻(梅のような花が咲く藻)という植物が咲くようですが、ちょうど今が盛りだったようで、駐車場待ちの車がたくさん並んでいました。







そこに残っているのが、昭和9年築の旧醒井郵便局です。

d0054855_10254569.jpg


先の信用金庫はレンガ造りを鉄筋コンクリートのように見せていましたが、この郵便局は木造で、モルタルを塗ることで堅牢な印象に仕上げています。
実はヴォーリズ建築ですが、いかにもヴォーリズな八日市の旧歯科とは異なり、縦筋を基調としたデザインに、柱頭に当たる部分に植物のモチーフがあしらわれているあたり、郵便局というか金融機関らしいデザインに仕上がっています。
登録文化財に指定され、現在は資料館として一般公開されています。


その先には、旧醒ヶ井公民館も残っています。
モルタル仕上げの隅石から、とても古い建物のようにも見えますが、実は昭和11年築です。

d0054855_10405360.jpg


腰から上はドイツ壁と呼ばれる粗い仕上げになっていて、平滑な壁の下部との間には、菱形のモチーフが連なっていて、シンプルながら細かいところに手が込んでいます。
こちらも登録文化財に指定。


ここからさらに国道21号と県道、国道19号等を経て、3時間ほど走って着いたのが、岐阜県明智町。
じりじり照りつける太陽の下、屋根を開けたまま走っていたら、首筋や半袖から先の腕が真っ赤に焼けてしまいました(苦笑)。
1週間経った今、ボロボロと脱皮中です。


明智町に何があるかというと、日本大正村と銘打って観光地化しているのです。
大正時代に建てられた旧町役場や旧郵便局、旧病院といった建物に加え、2つの街道が交わる街並みも、大正時代というかレトロな雰囲気です。

まずは、明治39年に建てられた旧明智町役場(大正時代じゃないじゃん)。
下見板張りの外壁に、細い桟の上げ下げ窓という、ごくごく一般的な構成です。

d0054855_11331654.jpg


この当時の町役場の常で、2階は町議会場だったようです。

次いで、旧明智郵便局。
明治8年開局といいますが、この建物が何年築なのかは不明。

d0054855_11204499.jpg


庇が付いた中程の引戸を開けて郵便局に入りますが、右側の開戸を開けると、2階にある住居(と思われる)部分に昇る階段があるようです。

面白いのが内部構造で、2階は正面まで張り出しておらず、1階を入った三和土(タタキ:郵便局の客が入る部分)が2階までの吹き抜けになっていました。
欄間のような欄干というか、手すりが見事です。

d0054855_11271654.jpg
d0054855_1142053.jpg


あと、それらしき建物は、昭和2年築の旧保母歯科医院。
左右非対称で、診察室か待合室の採光のためか右側が張り出していて、その上に手すりが付いており、小さなベランダになっているのがかわいらしいです。

その他にも大正を意識した建物はありますが、どれも再建で、まさに箱物というような建物もあり、ちょっと迷走気味という印象を受けました。 他地域からの移築には抵抗があるのかも知れませんが、変な箱物を建てるよりは、まだましかと思ったりしました。


帰りは、明智から恵那市に出て、あとはひたすら中央高速をテレテレと。
屋根を開けたまま左車線を80km/hぐらいで走っていると、適度に風を感じていいものです。
というのは強がりで、実は出発前からクーラーが効かなくなっていました(涙)。


走りながら、通行量が多いところから渋滞突入の様子を観察していると、
 1.遅い車が追い越し車線を走っている
      ↓
 2.速い車が追い付いて、車間距離を詰める
      ↓
 3.車間距離が縮まると少しの速度調節でもブレーキを踏む
      ↓
 4.その後ろの車が驚いてブレーキ ・・・以下その連鎖

こんな感じで、1,2も問題なのでしょうけれど、オートマ車率90%以上の我が国では、エンジンブレーキがほとんど効かず、3のようにぽんぽんブレーキを踏んで速度調節をすることが、4以降につながる諸悪の根源なのかなぁと。
欧州車のように、もっとエンジンブレーキが効くオートマって作れないものですかねぇ。


6時頃に中央道に乗りましたが、Uターンや東名高速通行止めの影響の渋滞にたたられながら、千葉の自宅に着いたのは夜の12時過ぎでした。
しかし、今回は遠出中心で、高速でも距離を稼いだので、燃費は14km/L(700km/50L)。 山口県から宮崎県で出した最高燃費を、久々に出しました。


そんなこんなで、5市街12件の洋館巡りをしたきました。
車で行けるような県庁所在地はだいたい見たので、今後もこんなマイナー巡りになると思いますが、高速1,000円だか無料だかで、今後もっと行きやすくなるかも知れませんね。
[PR]
トラックバックURL : http://okuruma.exblog.jp/tb/10135592
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by むにゅ at 2009-08-23 15:53 x
高速、やっぱり混んでたのですね・・・
普段、運転しないドライバーさんたちが多いですものね。。。
それだけに追い越し車線でゆっくり運転するし。。
でも、すごい走行距離でしたね!お盆は近場をちょこっと運転しててガソリンものすごく食ってしまって、給油するにも高いのであわてました・・・でも、高速無料になったら、今回の地震の被害みたいなときに修理とかメンテとか思いっきり手抜きされて大惨事になりそうで怖いよね。。。
Commented by kerokeropon at 2009-08-23 17:08
洋館ではありませんが、巨木を見に行くという趣味があるので高速道路料金が安いのはヒジョーに助かるんですけどやはり渋滞情報を見てしまうと出かける気が失せてしまいます。
追い越し車線を制限速度以下で走っている車も増えているみたいですし・・・

しかし古い建物に昔ながらの郵便ポストは似合うものですね。
自動販売機はちょっとナニですが・・・・
Commented by azmomohiro at 2009-08-23 18:28
こうして見ると、洋館って沢山あるんですね〜
私も建物が嫌いでは無いので(全然詳しくはないんですけど)いつも楽しませて頂いております。
エンジンブレーキですが確かにTip-sとかは良く効きますよね〜
Commented by COOPER99 at 2009-08-23 23:27
あははっ、明治村&大正村&昭和村のハシゴが出来ますけどぉ。
ATの弊害として、一定速度を保てない人が多いってのもあるな。
高速だけでも、クルコンが一般化すると変わるかも?。
Commented by at 2009-08-24 11:26 x
こんにちは。
やっぱり渋滞に巻き込まれちゃったんですね。
お休みの日は、やっぱりあまりお上手ではないドライバーが多いし…
「大正村」、そうなんですか、一度行きたいなと思っていたんですけど、しゃかりきになって行くところじゃなさそうですね。
のんびり、チャンスを待ちます。
県農工銀行八日市支店の煉瓦、すごいですね~
そんな風にしていたんですね~

三島の梅花藻もきれいですよ。
鰻もおいしいですしね♪
Commented by okuruma1970 at 2009-08-24 22:12
>>むにゅさん
普段5千円とか1万円のところが千円ですから、混むのも仕方ないですねぇ。
不慣れな人に走るなとは言えないですが、せめて迷惑は掛けないでもらいたいものです。
差額は税金で補助されているので、NEXCO3社(旧道路公団の分社)は、今は大儲けのはずですが、私も完全無料化には反対です。

>>kerokeriponさん
ありきたりな観光地だけでない目的地を見て回るって、いいものですよね。
確かに、渋滞30kmとか見ると、出掛けようという気が失せます。
地方に行くと、まだまだ丸ポストが多いですが、レトロの象徴みたいな雰囲気もありますね。
Commented by okuruma1970 at 2009-08-24 22:30
>>azmomohiroさん
本格的な洋館は一握りなのでしょうけれど、このぐらいの建物であれば、私が見ているだけでも7・800はあるので、1万はなくても数千の単位で残っていると思います。
ただ残念ながら、減りゆく傾向にはあるようです。
欧州車のATは、比較的エンジンブレーキが効くようなセッティングというか、勝手にシフトダウンしていったりしますよね。

>>COOPERさん
私も昭和村も聞いたようなと思っていましたが、建物ではなくて体験系のテーマパークっぽいですね。
車間距離を確保するとブレーキを踏まずに済んで楽でしたが、確かにクルーズコントロールも渋滞の救世主になるかもしれませんね。
Commented by okuruma1970 at 2009-08-24 22:49
>>釉さん
昔ながらの街並みが残るという意味では、大正村もいいと思いましたが、洋館だけで見ると、数ある街の一つ程度でした。
大正9年頃だとレンガ建築は古典的正統派で、モルタルでシンプルに造った方がデザイン的には進んでいたのかもしれませんね。
梅花藻って初めて知りましたが、湧水が冷たくてキレイなところ(柿田川とか?)に自生するのでしょうか。
三島のウナギも魅力的ですね。
Commented by iiduka987my07 at 2009-08-25 23:12
こんばんは。滋賀にもこんなに旧い風情の建物があるんですね。
知りませんでした・・・。神戸や横浜、長崎や門司など港の近く
のイメージがあるのですがね(笑)。ところで先日五島に行って
きたのですが以前okurumaさんが仰っていた教会を見てきましたよ。車が多いときの高速で追い越し車線をチンタラ走っている
車、イラつきますよね(笑)。こちらは物凄く多いです・・・・
Commented by okuruma1970 at 2009-08-27 19:56
>>iiduka987my07さん
滋賀県の近江八幡にW.M.ヴォーリズという建築家がいたこともあってか、滋賀県にも意外と多く洋館があるんですよ。
福岡にも、西南学院資料館とか久留米ルーテル教会とか、ヴォーリズ建築がいくつかあります。
五島列島にまた行かれたようでウラヤマシイです。
観光見学できる堂崎教会だけでなく、節度ある行動をすれば、各教会とも見学させていただけるんですよ。次回はぜひ。
 http://homepage2.nifty.com/youkan-tanbou/nagasaki/simogoto.html
私は高速走るとき、前より後ろ(実はリアスクリーンがほとんど見えないのでサイドミラー)ばかり見てますけど、追い越し車線チンタラ走行の人達は、後ろを見ていないんですかねぇ。
by okuruma1970 | 2009-08-14 23:11 | 洋館探訪記 | Trackback | Comments(10)