出張ついでに(明治村編)

1ヶ月ほど前に三重県へ出張したのですが、月曜朝からの会議だったため、新潟からだと日曜前泊でなくては行けないということで、ちょっと早めに出発して、久々に明治村を見てきました。


ちょっと早めといいつつ、千葉の自宅を朝6時に出発して、7時過ぎの新幹線に乗り込む気合いの入れよう(苦笑)。
指定席は通路側しか取れませんでしたが、自由席で富士山側を確保。
いいお天気で、富士山がよく望めました。

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名古屋で降りてコインロッカーに荷物を入れ、名古屋鉄道に乗り換えて犬山へ。
名古屋鉄道に乗るのは、1年ちょっと前にパノラマカー乗り納め以来。
パノラマスーパー1000系の普通車でした。

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犬山駅からバスで20分少々で明治村に到着。
明治村の正門は、名古屋にあった旧制第八高等学校にあったもので、明治42年築。
明治時代の学校や庁舎などの正門は、こういうレンガ造が多いですね。
入村料は1,600円、乗り物券付きで2,200円です。

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正門近くにあるのは、明治21年に建てられた旧三重県尋常師範学校。
学校らしく華美な装飾はありませんが、正面ポーチのアーチがいいですねぇ。
元は左右対称のE形構造だったようですが、中央部と右翼だけ移築されたそうです。

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次に見た建物は、入鹿池を望む丘の上に立てられた旧・聖ヨハネ教会(重要文化財)で、双塔の間に大きなステンドグラスがはめ込まれています。
アメリカ人ガーディナーの設計で、明治40年に京都市内に建てられました。
1階はレンガ造で幼稚園などに使われ、2階は木造で天井が高い教会堂がありました。

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丘を下っていくと、旧西郷従道邸(重要文化財)があります。
明治10年頃にフランス人レスカスの設計で建てられた本格的な洋館で、居住用の和館とは別に建てられた賓客施設だったようです。
ちなみに西郷従道とは、西郷隆盛の弟で、内務大臣まで務めた人物です。
アーチ状に大きく張り出したバルコニーは、暑い夏の日差しは遮り、暖かな冬の日の光だけを室内に届ける仕組みで、よく考えられていますね。

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丘を下ると京都七條駅があり、古い京都市電に乗ることができます。
前面に網のようなものが付けられ、一本ポール形の集電装置(パンタグラフ)から時代を感じますが、明治43年頃に作られた古い車両が、今も元気に走っています。

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市電名古屋駅からちょっと歩くとSL名古屋駅があり、古いSLに引かれた列車にも乗ることができます。
明治7年にイギリスから輸入され、新橋〜横浜間で使われていたそうです。

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運行されているSL名古屋駅・SL東京駅の両駅とも、ターンテーブルが設置されていて、機関車は常に正面を向くように運転されていました。
SLの息づかいは、生き物のようですね。




SL東京駅のそばには、明治村の顔ともいうべき旧・帝国ホテル中央玄関が移築されていますが、大正12年(明治ではないですね、苦笑)に、F.L.ライトの設計により建てられました。
予算や工期を大幅にオーバーしたとか、開館日に関東大震災に遭ったとか、いろいろいわくのある建物だったようですが、確かにスゴイ建物です。
正面の噴水池まで再現されています。

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館内にはティールームがあり、お茶をすることもできます。
無駄だらけ、転じて贅の極みの館内は、効率一辺倒の今のホテルとは大違いで、その空間にいるだけで優雅な気持ちにさせてくれます。

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旧・帝国ホテル中央玄関のそばには、旧・高田小熊写真館があります。
現在の新潟県上越市に明治41年頃建てられた写真館で、電灯がなかった当時は、採光のために屋根北面の一面にガラスを張り、明るい撮影室を実現していました。
明治村の中でも、個人的に結構好きな建物です。

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以前来たときは外観しか見られなかった、旧・川崎銀行本店です。
建てられたのは昭和2年のようですが、列柱が大仰な、いかにもな銀行建築です。
御影石貼りの鉄筋コンクリート造だったようですが、大きな建物を全て移築するのは多額の費用がかかるためでしょう、一部だけが移築され、展望台として明治村の5丁目が一望できました。

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村内には3つの教会が移築されていますが、先に紹介した旧・聖ヨハネ教会と同じ京都市内から移築されてきた、旧・聖ザビエル教会です。
明治23年に建てられたレンガ造の教会堂で、大きなバラ窓(出入口上にある円形のステンドグラス)が目を引きます。

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館内は、柱や天井に濃い色に塗られた木が使われ、窓にはめ込まれたステンドグラスとともに、荘厳な雰囲気を醸し出しています。

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起伏ある村内を歩くと、旧・宇治山田郵便局(重要文化財)があります。
明治42年に、角地に建てられたL字型建築です。

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角部が公衆溜になっていて、その周りを囲んだカウンターで手続きをするようになっていました。
公衆溜は円筒状の吹き抜けになっていて、上部に設けられた採光窓から光が差し込み、明るい雰囲気になっています。

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他にもいろいろ見たのですが、最後に見たのは2年前(H19年)に移築されたばかりの、武田五一の設計の旧・芝川又右衛門邸です。
明治44年に兵庫県西宮市に建てられた郊外型の個人住宅で、完成当時は構造こそ洋風だったものの、意匠は和風だったようですが、昭和2年に和館増築の際に、白い外壁を粗く仕上げたスパニッシュ(スペイン風建築)に改装されたそうです。

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1階の外壁をよく見ると、モルタルを塗って渦巻き状につまんだようにして、金色や銅色に塗ってあるのは、今まで見たことがない仕上げです。

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玄関ホールには小さなステンドグラスがはめ込まれていましたが、時間制で案内付きの館内見学のため、じっくり見ることができませんでした。

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そんなこんなで10時半から16時までの5時間あまり、村内をウロウロ見て回りました。

明治村を見て改めて思ったのは、こういった施設を作った名鉄グループの先見の目の素晴らしさと、今のうちに昭和村を作り始めないと昭和は残せないのではないかという危惧です。
210km/hで走らせずとも、30km/hで走る0系新幹線に体験乗車で来たり、ボンネットバスを走らせたり、炭坑住宅や都市の大規模団地とか、高度成長期のオフィスとか、一つ一つに技術的歴史的価値はなくても、価値が見出されないまま、一つ残らず壊されてしまう恐れも・・・。
まぁこのご時世では、自治体による構想はもちろん、名乗り出る企業グループはないでしょうねぇ。

なんてことを思いつつ、翌日の会議に向けて三重県某市に向かったのでした。


「出張ついでに」シリーズは、やめられまへんなぁ。
年明けに広島県のメーカーにも行きたいと思っているので、またリサーチしとこうかな(苦笑)。
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Commented by azmomohiro at 2009-11-23 18:27
私も行った事があります
”帝国ホテル中央玄関”は特に印象的でした
もう一度行きたいです、明治の時代を暮らしてみたいかと思うとそうでも
無いですが、建物は素敵ですね!
Commented by COOPER99 at 2009-11-23 20:33
色々変わっているんだねぇ、ザビエルしか覚えてないよぉ。(^u^)
Commented by ユリコ at 2009-11-23 20:48 x
明治村、イイですねえ♪
旧・高田小熊写真館と旧・宇治山田郵便局が個人的に好み。
平成19年に移築された旧・芝川又右衛門邸はまだ見てないので
また行きたいなあ。

昭和村ってありますけど(何の施設か知らないんですが)あれは
建物の保存ではなくて公園みたいなのなんですかねえ。
Commented by nesan at 2009-11-23 22:15 x
素敵だな。
どこかいきたいなぁ。
千葉のよいところも紹介してください。
Commented by nickey at 2009-11-23 22:55 x
自分は帝国ホテル見たさに行ったことがあります。
部材はレプリカが多く、復元された空間もごく一部ですが、
この建築の持つエネルギーはやはり格別のものがあります。
日本の他のライト作品では、自由学園とヨドコウ迎賓館が一般公開されていますが、
隠れたライト作品の林愛作邸(部分)も公開に向けて準備中とのことです。
(ビックリするほどのものではありませんでしたが...)
Commented by gop at 2009-11-24 06:34 x
小学校低学年の遠足はここでした(その後も事ある度..笑)
この頃は名鉄も景気よかったんでしょうねぇ。
帝国ホテル、なんでも鑑定団でレンガ一つ20万の値がついてました(欲しい)
Commented by at 2009-11-24 10:57 x
私も独身時代、真夏に友人たちと出かけました。
(いつのことだっ!?)
あまりの暑さに、記憶もあいまい、帝国ホテルくらいしか覚えていません。

毎回、旅先の候補に挙がるのですが、
夫から却下され続けています。
でも、あ~、やっぱり素敵。
旧三重県尋常師範学校、学び舎好きとしてはぜひ拝見したいです♪
来年のJ2のカードに期待するしかないかしら(笑)
Commented by okuruma1970 at 2009-11-24 23:22
>>azmomohiroさん
名古屋方面の観光地の一つとして行かれたのでしょうか、それとも明治村狙いで行かれたのでしょうか。
赤レンガではないですが、焼き物で覆われた建物は温かみがあっていいですね。
残念ながら、建物バックにマイカーの写真は撮れませんが・・・。

>>COOPERさん
たくさん建物があっても、強く記憶に残るのは、多くはないですよね。
教会の荘厳さは、信徒でなくても強く感じますね。
Commented by okuruma1970 at 2009-11-24 23:40
>>ユリコさん
久しぶりに名古屋自由時間を作れたので、行ってみました。
写真館の建物って、豪華過ぎず何かハイカラで、いいですよねぇ。
芝川又右衛門邸しかり20分毎の案内だけで館内見学出来る建物も多かったので、入口でスケジュール立てたほうが効率的みたいでした。
日本昭和村は、大正村に行ったときに調べましたが、建物は(あっても)売りではなくて、懐かし体験ができる施設みたいですよ。
 http://www.nihon-showamura.co.jp/

>>nesanさん
千葉の普通の観光地は、私より知ってますもんねぇ。
千葉で一番の建物は、稲毛にある神谷伝兵衛別荘かな。
 http://flatserve.makusta.jp/e30007.html
でも、美味しいものを食べたりできるわけではないんですよねぇ。
Commented by okuruma1970 at 2009-11-24 23:59
>>nickeyさん
帝国ホテルだけを見に行くのでも、行く価値がありますよね。
どの建物も大掛かりな移築を経ているため、オリジナル度合いは低くなってしまっていると思いますが、あの規模のものをよく移築したものだと感心してしまいます。
明日館は、帝国ホテルのような圧倒的されるものは感じませんが、あれはまたいい雰囲気で好きです。
旧林愛作邸も公開されるのが楽しみですね。

>>gopさん
やはり名古屋エリアでは恒例の遠足地だったのですね。
高度成長期で、名鉄に限らず大手私鉄が遊園地を作った頃でしたが、文化財保存の意味でも素晴らしいコンセプトでした。
F.L.ライトのファンは多いでしょうし、そんな出物も少ないでしょうから、価値が高くなるのでしょうね。
実用的な椅子なら欲しいかなぁ。
Commented by okuruma1970 at 2009-11-25 00:06
>>釉さん
真夏の明治村はキツそうで、記憶が曖昧なのも頷けますね。
私も、昼飯も食べさせず友人を連れ回した憶えがありますが、建物好きに明治村に付き合わされるのは、酷だと思います(苦笑)。
中京エリアにもJ2チームがあるのでしょうか。
折を見て、ぜひまた行ってみてください。
by okuruma1970 | 2009-10-18 19:27 | 洋館探訪記 | Trackback | Comments(11)

Peugeot306CabrioletとPorscheBoxster987のオープンカー2台生活だったのがBoxsterを手放したので本当は1台だけ、といいつつただの旅日記かも


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