幌馬車2台の道楽日記

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Peugeot306CabrioletとPorscheBoxster987のオープンカー2台生活だったのがBoxsterを手放したので本当は1台だけ、といいつつただの旅日記かも

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SUMIKAプロジェクト見学

昨日、建物を見に宇都宮に行ってきました。


普通は洋館だけを見ている私ですが、年始に書いたように家造りを考え始めている中で、東京ガスの実験住宅(?)「SUMIKAプロジェクト」を知り、一般公開を聞きつけて、申し込んで見に行ってきたのでした。
4人の建築家によるコンセプト住宅が、宇都宮市街の東京ガス社有地に建てられています。


まずは、西沢大良氏による「宇都宮のハウス」を見学。
地中に埋め込まれた11本の杭で、半透明素材の軽量屋根が支えられ、太陽の動きと生活動線を計算して、朝はベッド、昼食時にはキッチンに日が差すように、トップライトが配置されています。
屋根の全体が明かりを通し、また荷重は壁では受けていないため、壁面は全て外側に開く開き戸で構成されていて、用途や風通しなどの必要に応じて開閉できます。

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床は、玄関からキッチンまでが床暖のコンクリート、ダイニングからベッドルームまでがフローリング、そして奥の水回り付近は市松状に植栽とブロックが配置されていました。
床暖房とともに、夏季は井戸水と熱交換した水を循環させて、床冷房を行えるそうです。

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ユニットバス以外はワンルームというのは現実的ではないものの、光は屋根から採って周囲は必要に応じて開閉するという考え方は部分的に、年中安定している地中熱を使って夏場も低負荷で涼を得る考え方は一般にも使えそうです。
ちなみに、後者に近いシステムを採用している建築業者も、候補の一つに考えていました。








隣に建っているのが、藤本壮介氏による「House of before House」でした。
小さな白い箱体を重ねたり、階段やはしごでつなぎ合わせて、住宅を形作っていました。
箱体同士が向き合った面を主にガラス面にしてあって、カーテンを開け放っておけば、大きくない各箱体の中にいても、圧迫感を感じないようになっているようでした。

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箱体の上には植栽を植える堀込みがあって、2層以上の箱体にいても、自然というか緑を感じたり、強い日差しを遮るように考えられていました(真冬なので落葉していますが・・・)。

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LDK部分と主寝室の箱体の間は、多少アクロバティックなハシゴでの昇降は要すものの、屋外に出ずに行き来できますが、大きな子供の部屋と思しき個室へは、いったん屋外に出なくてはなりませんし、箱体毎に空調装置が必要になります。
というわけで、子供が作る秘密基地のような楽しさはありますが、実用的な点はほとんど見出せませんでした。


少し歩いたところにあるのが、藤森照信氏による「コールハウス」です。
藤森照信氏は、洋館研究の第一人者である東京大学教授ですが、多くの古建築を調査・研究した経験を活かして、知人宅や一風変わった博物館などを設計、というよりコンセプトを作っています。
外壁は、杉材を焼いて耐食性を増した「焼杉」が張られていて、炭化したということから、コール(炭)ハウスと名付けられたようです。

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人類最初の住処と考えられている洞窟をイメージしたというリビング・ダイニングは、洞穴風になで肩の天井と、20cmほど掘り込んだ栗の無垢材の床で構成されています。
内壁と同じ漆喰で覆われたガス暖炉は、薪ストーブが燃えているようにも見え、とても暖かかったです

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リビング・ダイニングに座っての窓外の眺めは、洞窟から外を眺めた様子を再現したようですが、自由学園明日館のような多角形の大窓で、一見邪魔にも見える太い骨組みも含めていい眺めでした。
下部にはカーテンを引けるようになっていて、外からの目線は遮りつつ、空を見上げることができるようにもなっていました。

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2階にある主寝室の隣には小さな茶室が設けられていましたが、ゲストは屋外からハシゴで昇ってくるというコンセプトになっていて、面白かったです。

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リビング・ダイニングから各室への扉は少し小さく、また2階にある子供部屋へはハシゴで昇降するなど、少々不便な印象も受けましたが、漆喰壁に無垢の床という構成に、高い天井に大きな窓のリビングは、私の考えている家のイメージに近かったです。
古来の家に近く、新しい要素は少ないのでしょうけれど、温故知新といったところでしょうか。


最後に見たのは、伊東豊雄氏による「SUMIKAパヴィリオン」です。
一般住宅用と業務用のガス調理器具を備え、普段は調理体験ができる施設として使われているようですが、屈折した骨組みにガラスの六面体が貼り付けられたような、かなり変わった構造になっています。

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骨組みは、六角形を複雑に組み合わせて折り曲げて、床以外の五面を構成しているそうです。
4本ある柱のそばにはトップライトが設けられていて、空も眺められます。

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家とは違いますが、同じ建築家が設計した椅子(ベンチ)は、色味の異なる板材を複数重ね合わせて、円形に磨くことで、同心円状の模様が浮かび上がっていて、キレイでした。

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この建物はパヴィリオンというだけあって、住宅のDK機能しか有しておらず、構造の複雑さが目に付くだけで、住宅に応用できそうな点はあまり見出せませんでした。



建物単体の値段や、複雑な構造体ではその量産効果などが提示されていれば、また評価もできるのだと思いますが、テレビや雑誌に取り上げられるようなデザイナーズ住宅にお住まいの方ならいざ知らず、私ごとき一般ピープルは、やはり「コールハウス」が一番しっくり来ました。

基本的に、このSUMIKAプロジェクトの一般公開は、今回で最後だったようですが、建築家が思い描く未来の住宅像を具現化して、世の評価を問う場として、このようなコンセプト住宅を造り、公開する機会は、ぜひぜひ今後も続けてもらいたいものです。


ちなみに、この日は午前11時頃に宇都宮に着き、洋館1件を見た後に昼食を食べて、午後1時から2時間ほどこの見学に参加しました。
昼食は、やっぱり餃子(笑)。
時間がなかったので、駅ビル2階の「餃子小町」にに出店している餃子来風でシングル定食(550円)をいただきました。

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餃子5個では、ランチとしてもちょっと物足りないかな。 餃子10個のダブル定食(780円)や、生ビール+餃子5個+具違い餃子3個で880円というセットもありました。

SUMIKAプロジェクト見学後も、洋館2件を見物しましたが、また次回ご紹介します。
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Commented by gosyurin at 2010-03-01 22:10
現実問題としては、テレビなどで取り上げられるような家は建てるのも維持するのも難しいでしょうね。
クルマ好きとしては、自室から車庫が見えるというようなコンセプトだと嬉しいですが、なかなかそうもいきませんし(笑

自分としては最初の家は満足度50%、いまの自宅も70%ぐらいでしょうか。。。
Commented by okuruma1970 at 2010-03-02 22:31
>>gosyurinさん
マスコミに取り上げられるような家は、構造やデザインなどに特徴がある、車でいえばコンセプトカーみたいなものなのでしょうね。
渡辺篤史氏の住宅番組を毎週見ていますが、いいと思う部分もあるものの、住みにくいだろうなと思う部分も結構あります。
私もガレージハウスを目指していますが、地価と建ぺい率の現実を知るにつれ、夢は遠のきつつあります(涙)。
家は3軒建てないと満足できない、というように聞いたことがありますが、gosyurinさんの満足度もその傾向にあるようですね。
目指せ、もう一軒!
Commented by gosyurin at 2010-03-03 20:58
よーし、もう1軒買うぞ(違

私の自宅は建ぺい率60%容積率200%のマンションも建築可能なフツーの第1種住居地域ですが、頑張っても土地30坪無しで借金まみれです。。。
第1種低層住宅専用地域なんかだと建ぺい率50%容積率80%とか普通ですから、土地がでかくないとどうにもならない=お金がある人しか無理、なんですよね・・・

理想のガレージ付き住宅造りに邁進して頂きたい!(^^;
Commented by okuruma1970 at 2010-03-03 22:26
>>gosyurinさん
千葉の居地近辺では、駅から離れると建ぺい率50%容積率100%の土地もありますが、やはり建60%・容200%は必要そうですね。
屋内ガレージを設けるとして、3m×6m=18m2≒6坪は必要。
25坪の建ぺい率60%だと1階は15坪で、1階に水回りを置くと、2階LDKしかないか、とか何とか・・・。
地価や金利の状況は家造りにいいようですが、今の単身赴任状態では、そもそも土地探しに本腰を入れられません(涙)。
Commented by 藤沢一郎 at 2010-03-04 22:20 x
おクルマ様、皆様、初めまして。建築家の藤沢一郎と申します。
私も明治建築の大ファンでして、御サイトへ辿り着くことができました。
更に車も大好きでありまして、とても楽しく拝見させて頂きました。
この度は新築を御検討とか。誠に御目出とう御座います。
貴殿の様に建築にお詳しければ、きっと素晴らしい御宅が竣工するものと確信して居ります。
今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
先ずは略儀では御座いますが、御挨拶にて。
Commented by okuruma1970 at 2010-03-06 01:09
>>藤沢一郎さん
ようこそいらっしゃいました。
明治建築に車がお好きということで、まさに同じ嗜好ですね。
建築は見た目だけで、構造などは全くわかりませんが、サラリーマンゆえ普請道楽など叶うはずもないので、一生に一度の機会を楽しみたいと思っています。
本日も洋館の記事を書きましたが、またときどきご覧いただければ幸いです。
お待ちしています。
by okuruma1970 | 2010-02-27 19:55 | 国内旅行記 | Trackback | Comments(6)