北東北紀行(建物編)

北東北旅行の2日目は、建物メインでした。


田沢湖で「たつこ像」を見てから、角館へ。
江戸時代の武家屋敷が今も数件残っている、落ち着いた街です。
ちなみに、ゴールデンウィークあたりには、満開の枝垂れ桜を見に、観光客が押し寄せますが、シーズンは外れていたので、人出はそれなり。

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公開されている武家屋敷は7軒あるようですが、見学したのは、駅から一番遠い石黒家。 以前見学したところを外したつもりでしたが、多分3回目・・・(苦笑)。
広い三和土から客間まで、かなりの奥行きがあります。

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客間の欄間には、縁起物の亀が透かし彫りされていました。
また、居間にある囲炉裏には、「寿」をかたどった自在鉤が吊られていて、縁起物にこだわっている家訓だったのでしょうか。

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角館の武家屋敷は個人的にはおまけで、相方は北東北初旅行だったので、角館まで行って武家屋敷も見せないのはなぁ、と思っての証拠作りでした(笑)。






角館駅にある駅レンタカー営業所で、レンタカーを返却。
JR角館駅は秋田新幹線開業に合わせて、黒塀の武家屋敷風に建て替えられていますが、その横(写真左側)に小さな駅舎が併設されています。

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一見洋館風の建物は、秋田内陸縦貫鉄道の駅舎。
角館と秋田県北部の鷹巣とを結んでいる第三セクターですが、沿線に大きな街はなく、ご多分に漏れず存続が危ぶまれている地方ローカル線です。

乗ったのは、1日に1往復半程度運行されている、急行もりよし号。
急行料金が必要な列車ですが、今回利用したホリデーフリーきっぷ(全線タイプ:2,000円)には、急行料金も含まれていました。
ただし、全線を一気に乗り通すだけでは、乗車券1,620+急行料金320=1,940円と、フリー切符より安いので、最低でも途中下車するとか、気合いを入れて往復するとかする場合にお得になります。

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急行もりよし号に使われているAN-8900形は、全長約100kmを約2時間かけて走るため、座り心地のいい転換クロスシートが備えられていました。
また、イベントや貸し切りでも使えるよう、中央部の座席はサロンバスのように車両中央を向いたソファーのように配置されていました。

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が、残念ながら、AN-8900形は冷房故障のため、乗らない方がいいと思います、と言われてしまいました。
写真を撮りがてら試しに入ってみましたが、窓が開かないので蒸し風呂状態でした。

ということで、外観は普通のディーゼルカーの形をしていながら、座席は転換クロスシートのAN-8905形に揺られました。
角館〜松葉間は1971年に開業した国鉄・角館線が前身、比立内〜鷹巣が1934〜63年に開業・延伸された国鉄・阿仁合線が前身で、その間をつなぐ松葉〜比立内間は第三セクター後の1989年に開業したそうです。
そのためか、比較的新しい角館〜比立内間は乗り心地が良かったのですが、比立内以北の線路状態や乗り心地は・・・。

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1時間あまり乗って着いたのは、阿仁合駅。

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今は何がある街ではないのですが、以前は鉱山で賑わっていたそうです。
その歴史を今に伝える数少ないものの一つが、阿仁異人館です。
江戸時代から鉱山があったそうですが、明治になってドイツ人技師を招き、その宿舎として明治12年に建てられたのが、このレンガ造りの異人館(国重要文化財)でした。

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冬は寒く雪深い阿仁合ですが、建物の周囲をバルコニーで囲み、通気の良い高床式には訳があります。
明治初期は、蒸し暑い東南アジアに合ったコロニアル(植民地)様式が伝わってきたため、あまり場所への適合を考えずに、このような建物が建てられたようです。
ちなみに、北海道だけは、アメリカの開拓文化が直接伝わってきたため、コロニアル様式は少ないと思います。

壁にはアーチが付いた上げ下げ窓が並び、照明の吊り分には円形の装飾があったり、急な階段にはクローバーの透かし穴が開いていたり、ところどころに手が込んでいました。

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前々から、秋田内陸縦貫鉄道に乗って阿仁異人館を見に行きたいと思っていましたが、念願かないました。


再び秋田内陸縦貫鉄道の阿仁合駅に戻り、今度は普通列車で鷹巣へ向かいました。
今度は、普通列車用のAN-8800形。

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角館〜阿仁合と同じく、1時間あまりで鷹巣で到着。
鷹巣からJR奥羽線に乗り換えて、弘前へ。

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弘前に来て弘前城も見ないのは、という角館の理論で、ちょっとだけ弘前城見物。
もう閉館時間後だったので、外観だけの見物でした。
弘前城は、江戸時代に建てられた天守閣が残っているお城の一つで、天守閣自体は一度焼失して1811年に再建されたものですが、来年には開城400年を迎えるそうです。

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弘前で再びレンタカーを借りて、十和田湖へ。
何とか夕暮れには間に合いました。

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泊まったのは、十和田ホテル
外国人観光客誘致のため、秋田県が昭和14年にオープンさせたホテルで、北東北3県の宮大工80人を集め、腕を競わせて建てられました。
写真は翌朝撮ったもので、外壁の杉丸太は10年前のリニューアル時に貼り替えられたためキレイです。

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圧巻は、本館エントランスの吹き抜け。
まさに宮大工の技術の結晶でした。

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吹き抜けを通ると、磨き丸太の柱に杉の板目を活かした格天井。
秋田杉の銘木を随所に使った、豪華な建築でした。

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吹き抜け2階には図書室というスペースがあり、湖を眺めながら本を読むこともできます。

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泊まったのは後に増築された新館でしたが、夕食などは最後の自然編で。


(続く)
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Commented by at 2010-06-21 13:13 x
おクルマさんのご旅行記に、建物のお話は欠かせません♪
阿仁異人館、良いですね!
手すりのクローバーの透かし模様が好き。
失礼ながら、鄙の地に、いきなりの洋館、当時は驚愕だったことでしょうね!
でも、なかなか見学するのが大変そうな…(笑)

父が元気だった頃、桜を追いかけて桜を旅していたので
角館や弘前もまわっています。
でも、あの頃は洋館はそれほど気に留めておらず、惜しいことをしました。

十和田ホテル、良いですよね。
一度、泊まってみたいと思っているホテルの一つです。
おクルマさんのお写真で想像以上の造りに溜息もの。
お料理なども楽しみにしております。



Commented by okuruma1970 at 2010-06-23 22:10
>>釉さん
阿仁異人館は、2年間秋田に住んでいながら見に行かなかったのが、頭の隅にずっと残っていたので見に行きましたが、確かに他と一緒に見に行きにくい立地でした。
鉱山の拠点街は、今では鄙びた街でも、当時は活気あるハイカラな街だったのかも知れません。
何かに興味を持つと、以前の旅の軌跡をまた辿ることになったりしますよね。
4月に泊まった六甲山ホテル然り、外国人誘致を狙った戦前築のリゾートホテルには、惹かれますね。
10年前のリニューアルのおかげで、古式蒼然とした印象はありませんが、宮大工の技術には感心させられます。
オススメですよ。
Commented by 蝦夷屋猫七 at 2010-07-03 13:38 x
角館の石黒家、これは凄い。
細かい部分に手を抜かない本当に見事な和邸であることが写真からも伝わって来ます。

角館、何度も通過していながらこの家を知らなかったというのが、もの凄く悔やまれてなりません(笑)
ご紹介、ありがとうございました!
Commented by okuruma1970 at 2010-07-04 01:05
>>蝦夷屋猫七さん
蝦夷屋猫七さんは、和館ウォッチャーでしたよね。
角館の武家屋敷は、どこも見応えがあると思うので、ぜひどうぞ。
確かに、近くを通っていながら、見逃していることって、ありますよね。
by okuruma1970 | 2010-06-06 21:03 | 国内旅行記 | Trackback | Comments(4)

Peugeot306CabrioletとPorscheBoxster987のオープンカー2台生活だったのがBoxsterを手放したので本当は1台だけ、といいつつただの旅日記かも


by okuruma1970