東九州山陰の洋館巡り(その4)

GWに行った洋館巡りの最終回です。
その1では高速道路で移動して宮崎洋館巡りの1・2日目、その2では大分と下関の洋館巡りの3・4日目、その3では山口と島根の洋館巡りの4・5日目をご紹介しましたが、その4では6日目から。


【5月4日(水)】

島根県では宿が見付からず、松江市内のマンガ喫茶に泊まった翌朝、まずは温泉へ。
宿泊施設の日帰り利用は11時か12時かららしいので、玉造温泉の日帰り温泉施設「ゆ~ゆ」へ。
バブルの香り漂う箱物の典型のような施設で、傾斜地にあるためか、温泉へは1階入口からエレベーターで5階に上る構造(案の定、平成3年に計画策定、平成8年完成とか)。
途中階には、コンベンション・センターもあるとか・・・。

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開館間もない10時頃に入ったのですが、なかなかの盛況振りでした。
無味無臭の透明なお湯で、温いお湯が好きな私にはちょっと熱め。
玉造温泉自体が宍道湖から少し離れていましたが、密集した狭い温泉街に比較的最近できた施設では、露天風呂の景色は望むべくもありませんでした。


温泉でサッパリした後は、同行のどしるさんの良縁を祈るべく(笑)、出雲大社へ。

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GWど真ん中の12時頃は、当然ながらスゴイ人人人・・・でした。
前回15・6年前に来たのはオフシーズン平日の夕方6時頃で、他に参拝者がほとんどいない長い長い参道で感じた荘厳さとは、かなりイメージが違いました。
しかも平成の大遷宮のため、本殿は工事中でした(御仮殿に参拝)。

気を取り直して、神社といえばおみくじということで、引いてみました。
吉だ凶だの明確な格付けはなく、ありがたい御言葉から取るべき行動を読み取るもの。
「夫婦の和は人道の根源」とあったので、相方と相変わらず仲良くやっていきたいと思いますが、仲良くするためにも、早く関東勤務に戻して欲しいものです・・・。

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出雲大社の参拝も目的ではありましたが、やはりここでも洋館見物。
出雲大社の参道にあるのが、一畑電車の出雲大社前駅で、昭和5年に建てられた鉄筋コンクリート造りの駅舎は登録有形文化財に指定されています。
アーチを描いた屋根に釉薬が光る緑色の瓦を載せて、当時としてはモダンな、今となってはレトロなデザインになっています。

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駅舎の中も、屋根の形状に合わせたドーム天井になっていて、広々しています。
右側の白く張り出した部分は、、元の切符売り場と思われますが、デザインされていますね。
また、ところどころに色ガラスが嵌め込まれていて、華やかな印象です。

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この一畑電気鉄道は、主演・中井貴一が49歳にして電車運転士になるストーリーの映画「RAILWAYS」(音が出ます)の舞台になっていて、その相棒として映画に登場していた(らしい)デハニ52という電車(左側オレンジ色)が展示されていました。
私も50歳ぐらいで、地方ローカル鉄道の運転士に転職してみたいものです(笑)。

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昭和3年に作られた車両で、約80年間も使われていましたが、安全基準に適合できないことから、平成21年に営業運転から退いています。
右に停まっているのは元南海の21000系で、他も京王電鉄元5000系らしく、現在運行中の車両は転入してきたものばかりのようです。


出雲大社参道の大鳥居を抜けた少し先には、旧大社駅舎が残されています。
大社線は明治45年に開通し、往時は東京や大阪から直通列車も運転されていましたが、国鉄民営化は生き長らえたものの、平成2年に廃止されました。
2代目のこの駅舎は大正13年に建てられ、営業廃止後も大切に保存されており、平成16年には重要文化財に指定されました。
近代の建築技術を使った和風建築ということで、近代和風建築に分類されるのではないかと思います。

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特に目立った展示があるわけではありませんが(建物好きにはありがたい)、駅舎内は日中開放されていて、見学や休憩することができます。
参道で買った島根牛のおにぎりを頬張りました。

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外観からは2階建てに見えた駅舎内は吹き抜けで、しかもかなり大規模です。
往時、特に正月などは、列車の発着のたびに多くの乗降客で賑わっていたのでしょう。
一畑電気鉄道の駅と同じく(というかこちらの方が先)、切符売り場が凝っています。

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駅舎をバックに、306の勇姿をパチリ。

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出雲市から山陰自動車道に乗って、東へ東へ。
途中、宍道湖PAで休憩して、宍道湖を遠く眺めました。
しじみ汁、飲みたかったなぁ。

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渋滞の尻尾が見えた米子西ICで山陰自動車道を降りて、米子駅へ。
この時点で、すでに午後5時。
予定では、朝から出雲大社詣で、昼には米子見物をして、夕方には鳥取に着いている予定でしたが、出雲市で宿が取れず、松江市内で泊まったマン喫では寝坊したことなどにより、ズレ込んでしまいました。
ここで3日間同行してくれた、どしるさんとお別れ。
岡山行きの特急やくも号に乗って、この日は京都に向かったとか。

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まだ明るかったので、米子市内の洋館巡り。
まずは、古い街道筋のような一角に立つ、昭和6年築の坂口合名ビル。
2階の軒まで伸びる2本の円柱は、同時期に建てられた銀行のようでしたが、キレイに手入れされて、現在も使われているようでした。

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お次は、山陰電気の米子変電所だった大正7年築のレンガ建築。
高圧の電気を覆う建物として、当時は耐火建材のレンガが一般的だったのでしょう、水力発電所や変電所の建物は、レンガ造りが多いです。
以前も見たことがありましたが、やっぱりレンガ建築はいいですねぇ。

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米子市内は大きな空襲がなかったのか、戦後復興期の闇市がそのまま定着したのか、細い路地で一方通行が多く、車で見て回るのには少々苦労しました。
米子専門大店は、大正13年に建てられた鉄筋コンクリート造りの3階建てのビルで、登録有形文化財に指定されています。
立地を活かして角に向いて出入口が設けられていますが、敷地に合わせてこの建物は菱形になっていたようでした。

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この日は鳥取市街の建物が見られなかったので、翌朝見ることにしました。
国道9号線がえらく渋滞していたので、一部は大山山麓の道を迂回して、鳥取市郊外へ。
一人ということもあり、元より宿を探すのは諦めて、道の駅「神話の里 白うさぎ」で車中泊。
道路から離れた静かそうな場所は一杯でしたが、何とか駐車スペースを確保して睡眠。



【5月5日(木)】

6時ごろに道の駅を出て、鳥取市街のマクドナルドへ。
コンセントがあるモバイル・カウンターで、朝マックしながら洋館検索。
久々にマクドナルドで食べましたが、たまに食べると美味しいものですね(笑)。

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まずは、昭和5年に建てられたグランドアパート。
鳥取市歴史博物館のそばにあるこの建物は、元は佐々木家という個人住宅だったそうですが、戦後に進駐軍に接収され、返還後はホテルとして使われて、現在ではアパートになっているようです。
左側2階テラスに出入りするガラス窓は、かなり手が込んだ円形になっていました。

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そして、この建物を再訪するために鳥取市に来たといっても過言ではない、仁風閣
元鳥取藩主家の池田侯爵が、大正天皇が皇太子時代に山陰行啓する際の宿舎として建てた建物で、設計は迎賓館(赤坂離宮)と同じ片山東熊。

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前回は閉館間際でろくに館内を見られなかったので、今回はじっくりと。
この建物の目玉は、芯柱のない螺旋階段のようですが、実は施主や来賓が昇り降りするためではなく、料理を2階に持って上がるなど、使用人が昇り降りするためのものだったとか。
マントルピースも何箇所かありましたが、その裏の部屋にもレンガ伝いに熱を放射するようになっていたとか。

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最後は、鳥取三洋の敷地内に残された旧鳥取高等農業学校本館。
大正10年に建てられた木造校舎で、角に出入口を設けて、直角二方向に教室(?)が伸びた様式だったようですが、角部分の一部だけが保存されたようです。
望楼がいいですね。
Panasonicに吸収されてSANYOブランドは消滅しましたが、製造子会社名としてまだ三洋は残っているようでした。

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この時点で午前11時。
ここから一路新潟を目指します。
国道9号線を東へひた走り、福知山から175号線を北上して、舞鶴から国道27号線を東へ。
途中、小浜市あたりで渋滞に遭遇したので、海沿いの三方五湖有料道路へ迂回。
せっかくなので、展望台で休憩。
山上から見下ろす三方五湖って好きなんですよねぇ。

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往路の逆で、敦賀から北陸自動車道に乗って北上し、有磯海SAで休憩。
売られていた「ますのすし」は、よく見る「源」のものはなく、地元魚津市の業者のものと、運営するホテルニューオータニ高岡のものの2種類のみ。、
前者をいただきましたが、よく脂が乗ってたなぁ。

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残り200kmあまり、新潟までひた走り、10時過ぎに新潟到着。
鳥取からの700kmを休憩含めて約12時間、この日も良く走りました。



7日間・86時間で3,700km。
以前のように下道専門ではありませんでしたが、久々に良く走りました。
今回は6割ぐらい(2,000km+α)が高速だったかなぁ。

宿で4泊、マンガ喫茶(苦笑)で1泊、車中で1泊(+仮眠1回)ということで、寄る年波には勝てず(苦笑)、以前のように車中泊ばかりというわけにはいきませんでした。

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我がプジョー306Cabrioletは、もうすぐ買って14年になりますが、99,750kmと10万キロまでカウントダウンに入りました。
各部のヤレは目に付きますが、今回も走りは絶好調。
まだまだ頑張らせたいと思います。


(終わり)
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Commented by たこぽん at 2011-05-30 12:10 x
駅と電車かわいいな♪
おにぎりの海苔、スケスケじゃない?なんか変わった海苔なのかな?美味しそうだね!
Commented by okuruma1970 at 2011-06-01 07:44
>>たこぽんさん
昭和戦前のモダンは、今となってはほのぼのレトロで、かわいらしく感じますね。
おにぎりの海苔は、韓国海苔だったような気がします。
後で写真を見ると、島根牛が写ってなかった・・・(苦笑)。
Commented by ROY at 2011-06-02 00:01 x
お疲れさまです。最後の晩は車中泊ですね。やはりおクルマさんの車旅といえば車中泊ですよねえ(笑)。出雲方面は最近では3年ほど前に行きましたが、その際に一畑電車を使ったので出雲大社前駅はしっかりと見ましたが、旧大社駅をすっかり忘れていて、後で思い出して悔しい思いをしたものです。50歳ぐらいでローカル鉄道とかいいですねえ。自分もどこか拾ってくれないかな?(笑)
Commented by okuruma1970 at 2011-06-02 21:48
>>ROYさん
おクルマ=車中泊というイメージを持っていただき、光栄です。
でも最近は車中泊が増えているようで、家族連れもよく見ます。
流行の先を行っていたということで・・・(笑)。
私も以前に出雲大社に行ったものの、出雲大社前駅はサラッと見ただけ、旧大社駅は見なかったので、今回はリベンジでした。
給料大幅ダウンと引き換えに拾ってもらえなくもないかも知れませんが、やりたい仕事(笑)に就けるかは・・・。
Commented by gop at 2011-06-03 19:57 x
参道近くの古びた時計屋でデッドストックのセイコーアトラス見つけました(笑)
出雲蕎麦は美味しいですよねぇ、長旅お疲れさまでした。
Commented by okuruma1970 at 2011-06-05 10:42
>>gopさん
地方の古びたお店をよく見ると、お宝とまでは行かないのでしょうが、オッと思うようなデッドストックが埋もれているのでしょうね。
私には、そんな眼も根性もはないのですが・・・。
出雲蕎麦は食べたかったのですが、参道のお店はどこも行列ができていて、食べられませんでした。
亀嵩駅の出雲蕎麦も食べてみたいものです。
by okuruma1970 | 2011-05-05 22:17 | 洋館探訪記 | Trackback | Comments(6)

Peugeot306CabrioletとPorscheBoxster987のオープンカー2台生活だったのがBoxsterを手放したので本当は1台だけ、といいつつただの旅日記かも


by okuruma1970