プジョーRCZ
2012年 02月 26日
プジョーRCZです。
プジョーの車名は、普通は3桁または4桁の数字で表すのに対して、この車は珍しくアルファベットの車名です。
顔付きは見紛うことなきプジョー車ですが、スタイリッシュな2+2座クーペです。
エンジンはBMWと共同開発した1.6Lターボ・エンジンで、国内で正規販売されるプジョー・シトロエン全車に搭載され、またBMW Miniや1erと同じものです。
(厳密にいうと、このガソリンエンジンはBMWの開発、同じ車に乗せるディーゼルエンジンはプジョーの開発なのかな)
RCZは、全長4,290×全幅1,845×全高1,360mmの2+2座クーペです。
全長と全高は306Cabrioletと似たり寄ったりですが、全幅は150mmも広いです。
デザインのためか、ドライバビリティーのためのトレッドを拡げたためか、張り出したフェンダーが広い全幅の要因なのでしょうね。
いかにもクーペ然とした、リアのデザインの方が好きだな。
アルミ製という、ルーフサイドの骨格もいいですね。
2007年にショーモデルとして発表された308RCZでは、マフラーカッターはセンター出しだったそうですが、さすがに量産ではそうもいかなかったようです。
車高を低く抑えながら、パッセンジャーの頭上だけを張り上げた、ダブルバブルと呼ばれるデザインの屋根で、屋根だけでなくて、リアウインドウまでダブルバブルのラインがつながっているのが、とても凝っています。
試乗したのは、自宅近くのディーラーではなく、都内の実家近くのプジョー世田谷。
冬場は車を実家に置いてある関係もありますが、このプジョー世田谷はインポーター(PCJ)直営のディーラーということで、稀少な6MT車の試乗車があったのでした。
このプジョーRCZには、6ATの右ハンドル車と、6MTの左ハンドル車の設定があり、両方とも同じ1.6Lターボエンジンながらチューニングの違いによって、前者は他の207や308、508と同じ156PS仕様、後者だけは200PS仕様になっています。
carrarawhiteさんが、6AT車に乗られていますね。
実は、先日ジュリエッタの試乗をさせてもらったとき、系列でプジョーディーラーも経営している関係からかRCZの6MT車が展示してあり、シフトの感触を試させてもらって、いいな、と思ったのでした。
gosyurinさんが乗られている308も同じ6MTのはずなので、シフトフィールがいいんだろうなぁ。
いざ試乗してみても、予想した通り、シフトの感触は上々。
クラッチは重くも軽くもなく、適度な踏力は好印象。
試乗は比較的車の多い環状8号線でしたが、アクセルを深めに踏み込むと、勇ましいエンジン音が伝わってきました。
6MT車には、過給圧に応じて振動板が共鳴するサウンドシステムが、標準装備されているそうです。
脚は比較的硬めでしたが、乗り心地は悪くありませんでした。
聞けば19インチ(235/40-19)を履いているとか・・・。
営業氏の話では、「200PSの出力とそのスピードに対応したブレーキを内蔵すると、19インチも単なるデザインのためではない」とのことでしたが、240PSのBoxsterでも17インチだったことを思うと、やり過ぎだよなぁ。
道幅の広い幹線道路を走っている限り、1,845mmという全幅は特に感じませんでしたし、戻り際に細い路地も走らせてもらいましたが、思ったほど走りにくいことはなさそうでした。
ただ、車の鼻先は全く見えず、左右の見切りもわかりませんでした。
実家の駐車場みたいに、細い路地で切り返すようなところは厳しいんだろうなぁ。
それに対しては、前後のバンパーに4個ずつのセンサーが埋め込まれており、支障物に近づくとブザーが鳴るようになっているので、ブザーが鳴ったら切り返すのが基本とのことでした。
見切りが悪いのは、歩行者とぶつかったときの保護のために、ボンネットとエンジンの間に空間を設ける安全基準のためらしく、その関係でボンネットやバルクヘッドが高くなっており、フロントガラスの天地高さが狭いのも、少々気になりました。
ディーラーに戻って内装を見ると、インテグラル・レーザーシートのグレージュというベージュ色のレザーシートは良かったなぁ。
本国仕様ではダッシュボードやドア・トリムも同色レザーになるようですが、日本仕様で色が変えられるのは前後シートだけ(涙)。
ただし、カーボンルーフ(アルミパネルにカーボンシートを貼り付けたもの)とセットの「カーボンルーフ・インテグラルレザー・パック」というオプションでした。
リアシートは、2+2らしく、エマージェンシー用ですね。
駅まで10分15分乗るだけなら我慢できますが、1時間とか乗るのは不可能。
足元の狭さは我慢できても、ルーフデザインを優先させた頭上空間は本当に狭いです。
まぁ、ジュリエッタのときに書いた通り、306の後継車に実用性は求めていませんが・・・。
そんな感じで、一通り見終わったところで、話を聞きました。
やはり6AT車の方が良く売れるけれど、6MT車も10%以上は出ているとか。
色とカーボンルーフ・インテグラルレザー・パックを選ばなければ、6MT車でも多少の即納車はあるようですが、即納車がないと受注から4ヶ月掛かるとか。
ただ、お値段がねぇ・・・。
ほぼフル装備(カーナビ除く)とはいえ、423万円!!
しかもカーボンルーフ・インテグラルレザー・パックを加えると、466万円。
乗り出し500万円とは・・・。
【いいところ】
・6MTのシフトフィール
・サウンドシステムによるエンジン音
・インテグラルレザー・シート(グレージュ)
【イマイチなところ】
・全幅と前方の見切り
・天地方向の見晴らし
・お値段
【総評】
シフトフィールは思った通り良かったけど、500万円は高すぎるよなぁ、というのが実感でした。 2・3年経って、中古車が流通してきたらいいかも。
そんな印象を持って、実家に車を置きに306Cabrioletを運転していると、毎度のことながら、306のトルク感が好きなんですよねぇ。
多分、フラットトルクな最近流行の小排気量ターボより、回転とともにトルクが上がっていく中排気量NAの方が好きなんでしょうね。
そう考えると、ルノーClio RS(ルーテシアRS)は良かったような、でももう売ってないしなぁ、といいつつ、CARBOXなら、まだ入れているよな、とか(笑)。
こんな感じで、まだあと何台か試乗したいと思っています。
おクルマさんにはとてもお似合いの一台!と思ったのですが即決にはいたらなかったのですね。
306の運転感覚がお気に入りであれば、機関部分を全部OHしてしまうという選択肢も大いにアリかと。
費用も時間もかかりますが、それでも新しい車を買うよりも遥かに低く抑えられます。(時間はともかく)
あぁ、ウチのも遠からずやらねばなりません(苦笑)
即決できる車って、なかなかないですよね。
306Cabrioletは中途半端ながらマルチな車ですし、走りに尖ったBoxsterも経験してしまっているので、次に行こうとするときについ比べてしまうんですよねぇ。
気合いを入れて306をOHという考えも、無きにしも非ずですが、そこまでの踏ん切りもなかなかつきません。
経年につれてOHインターバルも短くなるのかも知れませんが、そういう気の遣いようで寿命が延びるのでしょうね。
>>gosyurinさん
妄想が一番楽しい、まさにそうなんですよねぇ。
リーチは確実に近づいているはずなので、前々回・前回とも本気リサーチしているつもりなのですが、寿命まではまだありそうだという余裕もあって、本気になりきれないというのが本音かも知れません。
営業氏の話では、308とRCZの6MTは同じとのことでしたよ。
コクッコクッていい感触ですね。
私もこちらのディーラーでRCZの6MTを試乗させていただいたのですが、やっぱりこのクルマにこのエンジンはあまり合っていないような気がしました。それこそルーテシアRSの2リッターNAやメガーヌRSの2リッターターボが載れば実に楽しいクルマになるのになぁ・・・・と思うのですが、いかがでしょう?
あと、あの”カックンブレーキ”はちょっと・・・・(汗)でしたね。
ということで、私もいろいろと妄想中です(笑)。
6MT、羨ましいなぁ。
で、前の見切り。
ウチのも全く見えないですよ。それも座高の高い自分が乗っても。
今ドキのクルマはその方が多いのではないですかね。
最近ので見切りの良いの、あった??
で、買うの?(笑)
やはり、6MTに乗ろうと思うと、このディーラーですよね(笑)。
過給の有無やチューン違いこそあれ、今のプジョー車は基本的にこのエンジン一本ですから、メーカーとしてもディーラーとしてもジレンマがあるのでしょうね。
でも、もうちょっと尖がった仕様があってもいいよなぁ。
車への渇望のリミットが来るまで、妄想を楽しんでくださいね。
>>HFさん
207の5MTもあまり悪い印象はないですが、2・3年なら6MTが欲しかったですよね。
でもよく考えたら、Boxsterも5MTでした(苦笑)。
最近の車って、やっぱり前が見えないですか。
たぶん着座位置の関係で、アルファ2台は比較的高めで、RCZが低かったから、特にそう感じたんだと思います。
強い印象の車に出会えれば別ですが、今の環境では本気モードには・・・。
より、肩の力が抜けてて、ベタ~って地の果てまで乗り続けられるようなそんなリラックス空間がこのクルマにはあったな~さすがフランス車って思いました。かつてのアルパインV6ターボのような、いいんだけれども、時折のぞかせる乱暴さが緊張を強いるドライブとは異なり、全てをクルマに委ねられる安堵感が20年の時代を感じさせました。
TTには乗ったことがないのですが、ゲルマン車の堅さに対する、ラテン車のユルさというか気楽さがあるのは確かでしょうね。
ただ、19インチ・ホイールの影響なのか、意外とガッシリしていた印象も受けました。
17インチぐらいで十分なんですが・・・。
試乗した車の中で、エンジンや変速機はともかく、乗り心地が昔のフランス車然としていたのは、Volvo C30でした。
あれなら、九州まで走れそうだなぁ。