紀伊四国中国の洋館探訪(四国編2)

6月に入ってしまいましたが、まだGW中の旅行記です。
紀伊半島の三重県と和歌山県の洋館を見て回った紀伊編、徳島県の洋館を見て高知で夕食を食べた四国編1に続く3編目です。


【5月3日(木祝)】
高知駅前のビジネスホテルを出て、まず向かったのは県立高知大手前高校
旧制の県立城東中学校として昭和6年に建てられた校舎で、中央部にニョッキリ立った塔屋に和風の時計台を載せた帝冠様式です。
塔屋以外は意外とシンプルですが、高知さんさんテレビのブログによると、館内も手が込んでいるようです。

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大手前というだけあって、すぐ近くに高知城がありました。
江戸時代の1749年に(大火による焼失のため再建)建てられた天守が、今も残っています。
小学生以来何度も登っているので、今回は下から見上げるだけ。

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市街地にある織田歯科医院は、大正14年に建てられた現役の病院です。
ドイツ壁風の粗い仕上げの外壁で、木造にも見えますが、実は鉄筋コンクリート造りの初期のものだそうです。
縦のラインを強調するように、外壁の一部を平滑に仕上げて白く浮き立たせていて、軒上にはパラペットを立ち上げています。
建物の外壁は通りに面しているものの、住居と兼ねているからか、庭に面した側に出入り口があるのは、病院としてはちょっと珍しい造りです。

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この他にも何件か見ましたが、期待していた旭浄水場は工事中のため高い囲いに阻まれていて、満足に撮れませんでした(涙)。






国道では、土電(とでん=土佐電気鉄道)の路面電車と併走します。
4日目にして、この旅行で初めて屋根を開けましたが、南国高知の日差しは強かったです。

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国道55号を東に向かって、芸西村へ。
芸西郵便局のそばに、末延家住宅が残っています。
当初は末延堂医院という医院建住宅として昭和2年に建てられたようですが、建物の全体構成は下見板の洋風建築ながら、黒に近いこげ茶色に塗られ、和風の雰囲気も感じます。
軒を深くしているのは、多雨地域である高知の土地柄ということもあってか、外壁を守っているのかもしれません。
そういえば、右端の石柱が通りに面した門なので、こちらの旧病院も建物の出入口が通りに面していませんね。

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再び高知市寄りに戻った南国市の立田駅のそばには、旧高知県電気局庁舎が残っています。
昭和初期に建てられた役所建築ですが、正面左側に円筒形の塔屋を立てて、青色に塗られたモダンな建物です。
エントランスには曲面を用いたヒサシがかかり、その上の2階部分にはアーチ窓を設けるなど、細かいところにも手が掛かっています。
長らく空き家になっているようですが、こちらも高知さんさんテレビのブログによると、2階から塔屋へは螺旋階段があるようなので、見てみたいものです。

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安芸市などにも見たい建物はありましたが、後ろ髪を引かれながらも、高知自動車道に乗って高知県を後にしました。
北上して向かったのは、香川県坂出市。
3ルートある本州四国連絡橋の1つ、瀬戸大橋(児島・坂出ルート)の付け根の街です。

その海べりに、旧坂出港務所がありました。
昭和9年に建てられた鉄筋コンクリート造りの建物は、大きな玄関ポーチを備えており、屋上に上がれるようになっているようで、手摺りが回されていました。
現在は空き家のようですが、塔屋上のドームを見ると、灯台のような役割も担っていたのでしょうか。
写真を撮ったところからグルリと回って正面から間近に見ることもできましたが、港務所というので、港っぽいアングルで撮ってみました。

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坂出の市街地には、坂出市歴史資料館がありますが、大正9年に建てられた旧坂出商業学校の校舎を転活用したものでした。
縦長の窓が採光の良さを感じますが、小さい塔屋が屋根上にちょこんと載り、屋根窓も設けられるなど、機能一辺倒でない造りになっています。

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隣の丸亀市には、昭和初期に建てられた堀家時計店が残っています。
当初は病院として建てられたそうで、商店なのにショーウインドウがないのは、どおりで。
付け柱やパラペットなどを備えた見事な洋館に見えますが、両側に隙間なく建物が建っているので見えないだけで、後ろは日本の従来建築という看板建築なんだそうです。
当時は賑わっていた商店街だったのか、元々閑静な病院街だったのかわかりませんが、今はアーケードの掛かった商店街に人が流れ、ひっそりと立っていました。

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さらにお隣の多度津町、JR多度津工場前に旧楽天堂医院がありました。
大正元年に建てられたハイカラな病院で、随所に大きなテラコッタがはめ込まれ、当時のものと思われる木枠のアーチ窓もそのまま。
玄関ポーチは、補強の支柱が追加されていましたが、軒先には「Lakutendo Hospital」と浮き上がっていました。
通りを隔てた反対には、昭和元年に建てられた山本医院も残っていました。

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今回見て回った中で、徳島の旧三河家住宅に次ぐスゴイ建物が、下高瀬簡易郵便局でした。
昭和10年に旧丸岡呉服店(呉服問屋)として建てられたそうですが、呉服店の所有者が戦後まもなく(昭和25年)簡易郵便局に転用したそうです。
洋風建築の呉服店というのも珍しいですが、のどかな田園地帯の小さな集落に、近隣の役所や病院にもなかったようなモダンな建物が建ったのは、さぞやスゴイことだったのでしょう。
平日の開局している時間帯に、ぜひ再訪したいものです。
カーナビで住所検索できずかなりウロウロしましたが、諦めようとしたときに郵便局で検索すること思い出して、何とか辿り着けました。

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香川県で最後に見たのが、観音寺市の海べりの琴弾公園内にある観音寺市郷土資料館でした。
大正3年に建てられた旧三豊郡農会農事試験場の建物で、漆喰壁にペンキ塗りの木枠窓がはめ込まれたいかにもな洋館でした。
この背後には展示館として建てられた建物も残っていましたが、複雑な屋根構造で屋根の中央部を持ち上げて、その側面に明り取りの窓を設けて、採光性よく作られていました。

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ちなみに琴弾公園には、砂浜で砂を盛り上げて作った巨大な寛永通宝があり、小高い琴弾山に登ると、見下ろすことができました。
二十数年前に知って興味があったのですが、ようやく見ることができました。

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ここで午後5時ごろ。
しまなみ街道(=西瀬戸自動車道、本州四国連絡橋の尾道・今治ルート)で夕焼けを見ようと、松山道を西進し、しまなみ街道への接続道路である今治小松自動車道をがんばって(笑)走りました。
ちなみに、接続道路だから直結しているかと思いきや、いったん一般道に下りて10kmほど走らなければなりませんでした。

夕焼けもチラッと見えたものの、ちょっと間に合わなかったなぁ。
屋根を開けながら、70km/hほどでタラタラと走りました。
以前、しまなみ街道開通前にフェリーと尾道側の橋で渡ったことはありましたが、これで本州四国連絡橋の3ルートを制覇しました。

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尾道からは山陽道をさらに西進し、西条ICで降りて、山陽本線西条駅前の東横イン東広島西条駅前に到着。
前夜まで広島岡山あたりで空室が見付からず、当日朝にこのホテルに1室空いていたのを見つけて、予約したのでした。
GW後半の初日ということもあり、フロントには「本日満室」の張り紙が。
予約できてよかったです。

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昨晩しっかり食べてから、この日もあまり食べていなかったのですが、駅前でお手軽系寿司屋(すし亭)を見つけて、遅めの夕食。
昨日食べた鰹のタタキが美味しすぎたのか、普通だったなぁ。

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そんな感じで、高知と香川の洋館を飯も食べずに見て回った4日目でした。


続く
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Commented by ROY at 2012-06-03 23:31 x
寛永通寶は、某時代劇のお蔭で自分も存在は知っておりましたが、いまだに見たことはありません。その方面に用事があったら見ようと思っているんですがねえ。
Commented by okuruma1970 at 2012-06-04 21:16
>>ROYさん
ガイドブックや旅番組だけでなく、そういうところにも登場してたりするんですね(笑)。
その方面といっても、中途半端なところで、なかなかついでに行けるところではないかも知れませんが、機会があればぜひどうぞ。
意外と大きかったです。
Commented by gosyurin at 2012-06-08 23:52
尾道今治ルート(しまなみ海道)だけは未踏なんですよね。。。
Commented by okuruma1970 at 2012-06-09 13:21
>>gosyurinさん
鉄道橋もあるオーソドックスな児島・坂出ルートと、関西から便利な神戸・鳴門ルートは使いやすいと思いますが、尾道・今治ルートは関西以東からはちょっと使いにくいですよね。
でも、しまなみ海道だけには歩道があるので、自転車で渡ってみたいと思っています。
次回、高知に行かれる際、ちょっと(かなり?)遠回りして、走ってみてはいかがですか?(笑)
by okuruma1970 | 2012-05-03 22:00 | 洋館探訪記 | Trackback | Comments(4)

Peugeot306CabrioletとPorscheBoxster987のオープンカー2台生活だったのがBoxsterを手放したので本当は1台だけ、といいつつただの旅日記かも


by okuruma1970