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三重県で鉄分補給(前編)

この週末は秋分の日といいつつただの土日でしたが、三重県へ旅行に行ってきました。


朝7:20発の「のぞみ号」で名古屋へ。
同行のROY氏とは概ねのプランについて事前にやり取りしていましたが、車内では軽く朝食を食べながら行程確認。

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名古屋駅からは関西線の快速列車に乗り換えて、1駅・桑名まで。
電車ではなく、ディーゼルカーのキハ75でしたが、なかなかいい走りっぷりでした。
4両編成でしたが、立ち客まで出る盛況ぶりでした。

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桑名駅でいったん改札口を出て、ちょっと歩くと、西桑名駅があります。
この駅は、JRでも、近鉄でもありません。

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この西桑名駅は、三岐鉄道北勢線の始発駅です。
写真ではちょっとわかりにくいですが、かなり小ぶりな電車です。

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ロングシートの両側に人が座ると、真ん中には1人立つのがやっと。
中学生が部活のカバンを置いていると、通れません(笑)。

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明治末~大正の地方鉄道黎明期に各地で引かれた軽便鉄道の生き残りで、新幹線の軌間(=レール間距離)1,435mmの約半分、JR在来線の軌間1,067mmと比べても7割ほどの、762mmという小さな鉄道です。
大正3年に北勢鉄道として一部区間が開業し、何度かの合併を経た後、昭和40年からは近鉄(近畿日本鉄道)が運営していました。
平成12年に赤字を理由に廃線が検討された際、地元自治体が支援する条件で、平成15年に三岐鉄道に譲渡され、現在に至っています。

クーラーは当初は設けられておらず、後に設置された際も、一般に設置する屋根上には載せられず、車内に置かれていました(笑)。
かぶりつきで撮影するROY氏。

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乗ったのは途中の楚原行の電車でしたが、楚原駅から20分ほど歩くと、土木学会の土木遺産にも指定されている、三連アーチ橋の明智川拱橋があります。
石造りやレンガ造りのアーチ橋はときどき見かけますが、コンクリートブロックのアーチ橋というのはあまり見たことがありませんでした。

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すぐそばには、ねじり橋とも呼ばれる六把野井水拱橋もありますが、コンクリートブロック製の「ねじりまんぼ」。
ねじりまんぼとは、トンネル内側などアーチ部に見られるブロック(レンガなど)の積み方の一つで、渦を巻いたようにねじった面白い積み方です。

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ここからタクシーで丹生川駅へ。
もともと三岐鉄道の路線であった、セメント輸送を中心とした三岐線の駅で、貨物列車がJR線に乗り入れられるよう、軌間1,067mmの一般的な鉄道です。
と思っていたら、期せずして貨物列車が通り過ぎていきました。

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丹生川駅のそばには、貨物鉄道博物館があります。
明治31年にイギリスから輸入したB4型蒸気機関車を頭に、石灰石を運ぶホッパ車や、屋根付き貨車の有蓋車などが展示されていましたが、旧国鉄(JR)の貨車よりも、地方私鉄で使われていた貨車の方が多かったです。

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一番大きかったのは、シキ160。
実物を見たのは初めてでしたが、変電所の巨大トランスを運ぶための貨車で、トランスを製造するメーカーが所有していた貨車だったようです。
トランスの重量を分散させるため、車輪が片側に12個も付いています(普通は片側4個)。

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三岐線に2駅乗って東藤原駅へ。
三岐線は元西武鉄道の車両で運行されていますが、祖父母が西武線沿線に住んでいて、以前はよく乗ったので、懐かしかったです。

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本来はあと2駅先の西藤原駅まで運転されているのですが、今年6月に貨物列車が脱線した影響で、東藤原~西藤原間はバス代行輸送されていました。
終点の西藤原駅はSLを模した駅舎でした。

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西藤原駅には、ウィステリア鉄道と名付けられた、小さな鉄道公園があります。
三岐鉄道で使われていた蒸気機関車や電気機関車が展示され、また日曜日には蒸気機関車のミニチュア列車に乗ることもできるようです。

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ここには興味深い展示がありました。
レール間距離(軌間)の違いを実物で並べたもので、下から、新幹線や近鉄の1,435mm、JR在来線や三岐線の1,067mm、そして北勢線の762mm。
全然違いますね(笑)。

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ここから、代行バスと三岐線で伊勢治田駅に戻り、20分ほど歩いて北勢線の阿下喜駅へ。
阿下喜駅は北勢線の終点の駅ですが、キレイな駅でした。

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阿下喜駅には、軽便鉄道博物館があり、その昔、北勢線を走っていたモニ226形の車両が展示されています。

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開館日の第1・3日曜日には、駅の看板などの資料展示のほか、モニ226の車内を見ることができて、ミニ電車も運転されるようですが、この日は旧型車両を外から眺めるのみ。


北勢線にノンビリ揺られること50分で西桑名駅に到着。
桑名駅から快速電車で亀山駅へ。

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亀山駅からは、JR西日本の気動車キハ120に乗り換えて、隣の関駅へ。

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続く
Commented by gop at 2012-09-25 13:05 x
何時もながらフットワーク軽いですね。
桑名は時々通過するのですが、下車するまではいかず。
焼き蛤美味しいです。

西桑名駅、昔はもう少し近い所にありました。
http://987.blog.so-net.ne.jp/2008-07-01
Commented by ROY at 2012-09-27 20:28 x
お疲れ様でした。こうして見ると登場する車両はバラエティーに富んでますね。移動距離的には、最初の新幹線以外はそうでもないんですが。最初の画像、自分のカメラがしっかり写されてますね(笑)。
Commented by okuruma1970 at 2012-09-28 21:29
>>gopさん
思い立ったら、という感じで、フラッと行っちゃってますね。
何度か桑名には行っているのですが、焼き蛤は未だ賞味できておらず、憧れです。
三岐鉄道移管後に桑名駅寄りに移設という計画を聞いていましたが、未だ変わらずでした。

>>ROYさん
先日はお疲れさまでした。
乗っているときは夢中でしたが、振り返るとバラエティーに富んでいましたね。
あのユッタリ旅が良かったのでしょう。
いいカメラで撮られた作品の数々、公開を楽しみにしていますよ。
Commented by Tristan987 at 2012-09-30 23:08
こんばんは。
”鉄分補給の旅”羨ましい限りです!!
快速「みえ」は前に伊勢参りに行く際に乗りましたが、結構駿足なんですよね。乗っていて心地よかった思い出があります。
三岐鉄道とか近鉄内部線とか乗ってみたいのですが、なかなか機会がありません。そういえば、桑名駅の南側の踏切で三つの軌間(関西本線・近鉄名古屋線・三岐北勢線)を一度に越えられる踏切がありましたが、今もあるのですかね?
Commented by okuruma1970 at 2012-09-30 23:23
>>Tristanさん
最近、鉄道で遠出はおろか、旅行自体に行っていなかったので、久々の鉄分補給でした。
ちょっと調べると、快速みえのキハ75は、特急型顔負けの2エンジン車のようで、どおりで速いわけです。
私も三度も桑名に行きながら、北勢線には縁がなく、今回ようやく乗ることができました。
その踏切は、同行のROY氏に連れられて見に行きましたが、やはり有名なのですね(笑)。
by okuruma1970 | 2012-09-22 22:16 | 国内旅行記 | Trackback | Comments(5)

Peugeot306CabrioletとPorscheBoxster987のオープンカー2台生活だったのがBoxsterを手放したので本当は1台だけ、といいつつただの旅日記かも


by okuruma1970