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3日目 マン島保存鉄道

マン島2日目は、保存鉄道の旅の続き。

マン島にある保存鉄道は、主に3線です。
(1)Isle of Man Steam Railway・・・マン島蒸気鉄道
(2)Manx Electric Railway・・・マンクス電気鉄道
(3)Snaefell Mountain Railway・・・スネーフェル登山鉄道
またこの他に、2線あります。
(4)Douglas Horse Tramway・・・ダグラス馬車軌道
(5)Groudle Glen Railway・・・グレードルグレン鉄道

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※地図はIsle of Man Guideより引用。

このうち(1)は昨日9月24日の日記でご紹介した蒸気機関車の鉄道です。










というわけで、この日は(2)マンクス電気鉄道から、はじまりはじまり。

起点は、上図の通りDouglas Derby Castleで、ダグラス市街のプロムナード北端にあります。 ホテルからは、1mile(=1.6km)ほど。
天気予報では朝から雨とか表示されていましたが、チャンネルによって違っていたり、マン島のお天気表示はけっこういい加減で、実際は快晴。
快晴の海岸沿いプロムナードをお散歩。いやぁ気持ちいいです。
犬を連れてのお散歩やジョギングを楽しむ老若男女とすれ違います。

マンクス電気鉄道(MER)は、その名の通り電気で走る鉄道でして、昨日のように蒸気機関車に引かれる列車ではありません。 しかし1893年(和暦で明治26年!)の開業にもかかわらず、当初より電車で運行されていたようです。 しかもその100年以上前の車両が、今も現役で走っているというのです。

このMERも軌間は914mmで、マン島蒸気鉄道と同じです。 北部のラムジーまでの28.2kmを、やはり1時間あまりで結んでいます。
運転本数は夏季と冬季で変わるようですが、1日10往復前後。 しかし当時は栄えていたのか全線複線で、現在でも駅での交換待ちはなく、走りながらすれ違うことがたびたびありました。
これがその車両で、正面の右側に乗降口があります。 車内は真ん中に壁と扉があって2つの部屋に分かれていて、各座席は今でいう転換クロスシート。 初期の新幹線の座席みたいに、バタンって背もたれの倒れる向きを変えるタイプです。そういえば、同じ時期の(北海道の)開拓使号の客車も似たような座席だったような。
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2両編成の後ろに連なる客車は、オープンタイプ。 転落防止の鎖も何もないので、前席背もたれの把手を握ってないと、振り落とされそうで怖かったです。
でも9月でも寒いので、ちょうどいい季節は7・8月だけ?
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海が見える進行方向右側に絶景が続きます。 駅を出てから坂をグイグイ登っていくと、ダグラス湾に面して弓なりに並んだホテル群が眺められます。 途中で降りてゆっくり眺めたいほどでした。
さらに進むと海に突き出した断崖の岬や、この島ではお約束の牧畜が草を食べたり寝ころんだりしている景色が望めます。
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30分ほどで、途中駅ラグジーに到着。 (3)スネーフェル登山鉄道(SMR)に乗り換え、お天気がいいうちに山頂を目指しました。
スネーフェル登山鉄道は1895年の開業で、開業110年。 MERのラグジー駅からスネーフェル山の山頂近くのサミット駅まで7.9kmを30分ほどで結んでいます。
車両は、同時期のマンクス電気鉄道の車両と似ていますが、特徴的なのはパンタグラフで、丸パイプで組まれた楕円状の枠が垂直に立っているタイプです。 MERの車両に見られる昔の路面電車と同じポール式とは違い、一般的な菱形や「く」の字とも違います。
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4月末〜9月末の運行で、10時頃から16時頃まで昼休みを除いて30分間隔で走っているようです。 資料を買い損ねてしまいましたが、情報によると軌間は1067mmとのことです。
急勾配でのブレーキ故障に備え、線路と線路の間に第三のレールが設置されていますが、軌間が他線に比べて広いのは、このためかも知れません。
山を登る電車の車掌は休み無くひたすらしゃべり(案内し)続けていたので、おそらく解説していたんだと思いますが、斜度はけっこう(10%ぐらい?)ありそうでした。
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車両に2つ付いた台車の外側(運転室の真下)には、レールを挟み込むような万力状の緊急ブレーキが設置され、通常のブレーキが故障した場合に運転士が手でノブを回すと、万力状の装置が第三のレールを挟んで、ブレーキが掛かるようです。
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山頂のサミット駅の標高は2,036feet(=620m)で風も強く、平地にも増して寒かったです。 山頂ホテルでは、宿泊者以外でもコーヒーや食事がいただけます。
山頂へは徒歩5分ほど。 晴れていれば、イギリス本島とアイルランドが両方望めるそうですが、曇っていて、おぼろげながらイギリス本島北部が見えたぐらいでした。

折り返し時間30分ほどで、同じ電車で下ります。 途中バンガロー駅で降りて博物館へ。
この博物館は、ホンダの旗がはためいていることからもおわかりの通り、TTレースの博物館で、レースが始まった1907年からホンダが初優勝した1961年までの、バイクなどが展示されています。 後で英語のガイドを見たら、1961年のホンダのバイクがあると書いてあったのですが、よくわからなかったなぁ。
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さらに下ると、対岸の丘の上に大水車が見えます。 これもマン島では有名な観光地らしいく、150年ほど前に建造されたそうです。
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再びラグジーに戻り、マンクス電気鉄道(MER)に乗り換えて、MERの終点のラムジーまで。 件のオープン客車に乗ってみましたが、やはり寒かったです。
ラムジーは小さな港町で、特に見るべき観光地はなさそうでした。
帰りの電車に乗ると、パラパラと雨が降り始め、天気予報もあながちウソはつかんなぁと実感。 草原と牧畜や、線路沿いの邸宅(けっこう山の中にも家が建っている)をノンビリ眺めていると、ダグラスへ帰着。

ダグラスでは、意を決して、ビールを飲みにパブに入ってみました。
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商店街に並ぶ数軒からこのお店に入り、あちこちに看板の出ていたOkell's Alesというビールをオーダー。 なんかちょっと酸っぱいビールでした。
2杯目はギネス。 泡が落ち着いていく様を見るのはいいものです。
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ただ、周りの人を見ても、飲んでいるだけ。 食べている人がいないんですよねぇ。 私は、食べないと飲めないのに。 というわけで、2杯で退散。

帰り道にテイクアウトのピザを買って、ホテルの部屋で食べました。






Commented by gop at 2005-09-26 06:10 x
マン島行かれましたか。マンクス電気鉄道は最近TVの旅番組でも良く取り上げられていますよね、先回訪問した時はウェールズ中心に回ったので足を延ばしたかったのですが、時間がなく諦めました。次回ぜひ行って見たい場所です。
http://blog.so-net.ne.jp/987/2005-05-31-1
そうそう機関車トーマスが走っているソドー島はマン島の隣にあるんですよね(笑)
Commented at 2005-09-26 21:10 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Celeste at 2005-09-26 22:30 x
ちょっと遅くなりましたけど、おかえりなさい。
マン島イイですねぇ。ワタシはまだ行ったことないんですが、ひたすらにあこがれている所の一つです。
去年UKに行った時はカレドニアンスリーパーでコンウォールに行ったりしたんですが、マン島には行けずじまいでした(T_T)。保存鉄道もコッツウオルズをドライブしてた時に車窓から見たくらいで欲求不満でした。ああ、また行きたいなぁ。ワタシもその時買いましたよ>イギリス鉄道の旅(^^ゞ
続きも楽しみにしています!
Commented by okuruma1970 at 2005-09-26 23:29
>>gopさん
gopさんも、いろいろ回られていますよねぇ。
私もマン島を気軽に考えていたのですが、足を伸ばすという感じでは渡れませんね。
逆に私は、ウェールズとかスコットランドとか行きたくなりました。

>>非公開コメントありがとうございます。
スネーフェル登山鉄道の軌間は、901mmではなくて1067mmだそうです。
他2線の軌間も、901mm(計算間違い)ではなく914mmとのことです。
ご指摘ありがとうございました。修正しておきます。
Commented by okuruma1970 at 2005-09-26 23:37
>>Celesteさん
カレドニアン・スリーパー(寝台列車)に乗られたんですか。うらやましいなぁ。
イギリス本島の保存鉄道も興味はあったのですが、散らばってて乗りにくいですよね。
さりとて、一人ではレンタカーを借りて乗り回す度胸もなく・・・。
「イギリス鉄道の旅」を見ていると、行きたくなってしまいますね。

それにしても、意外なほどマン島に反応して頂けて、うれしいです。
Commented by Celeste at 2005-09-26 23:59 x
>>okurumaさん
ど~も!ちょっと過剰反応でしたかw?UKとかあの辺りが好きなんで、思わず反応してしまいました。okurumaさんのHPも拝見しました。うらやましいところばっかり。。。。ワタシも頑張って休みを取るゾ。
それから、すみませんが訂正です。
昨年乗ったのはナイト・リビエラ・スリーパーでした。カレドニアン…はスコットランド行きですね。スコットランドもいいところですよぉ。。
Commented by okuruma1970 at 2005-09-28 01:36
>>Celesteさん
イギリスの田舎は今回が初めてでしたが、雰囲気がいいですねぇ。
お乗りになってのは、ナイト・リビエラ・スリーパーでしたか。
いずれにせよ、夜汽車って郷愁があっていいですね。
私は興味の赴くまま無秩序に見て回っていますが、どこかに特化するのもいいかもしれませんね。 そういえば、まともに完成している旅行記はないなぁ。ポリポリ。
by okuruma1970 | 2005-09-25 22:53 | ヨーロッパ旅行記 | Trackback | Comments(7)

Peugeot306CabrioletとPorscheBoxster987のオープンカー2台生活だったのがBoxsterを手放したので本当は1台だけ、といいつつただの旅日記かも


by okuruma1970