南信と諏訪巡り(リベンジ後編)

9月30日に行った、赤沢森林鉄道リベンジの後編です。


木曽川沿いから権兵衛トンネルを通って天竜川沿いへ抜け、一部は久々ドライブのROY氏にハンドルを預けて、諏訪湖畔の岡谷市へ。
こちらの目的地も2年半前のリベンジです。

諏訪湖周辺は、明治〜昭和戦前に蚕糸工業で栄えていましたが、ここもその栄華の一つ。
岡谷出身で、蚕糸工業を創業して売却したのと、火薬商で財をなした、林国蔵氏の邸宅です。 建てられたのは明治30年前後で、国の重要文化財に指定されています。

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地方の富豪邸宅の常で、基本は日本建築です。
自由に見学するのではなく、市の嘱託のような方が案内してくれるパターンの見学です。
日本建築にはあまり興味がないのですが、○○檜の一枚板とか、建築様式よりも素材の使い方がスゴイ豪邸でした。 もちろん、手の込んだ欄間とかもあります。

d0054855_19221388.jpgしかしこの邸宅で一番スゴイのは、二階の座敷。
雨戸か何かが閉ざされ、昼でも暗い部屋です。

二間続きで奥には床の間が見えますが、スゴイのは、天井や壁一面に貼られている壁紙です。










金唐紙といって、和紙に漆を塗って、金箔を貼ってプレスした、手の込んだ壁紙です。
元々ヨーロッパで金唐革という高級内装材が使われていて、それを和紙で代用したもの。
明治期に財務省印刷局の前身で製造され主に輸出していたものを、国内のごく一部の豪邸などでも使われていたようですが、現存はごくわずか。
しかも、ほとんどが復元されているそうですが、こちらは完全なオリジナルとか。

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ただしこちらで使われているものは金泊ではなく錫泊を使ったものだそうで、輝きを失わない金と違って、落ち着いた色です(妖しい色は、光の加減によるものです)。

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柄は全部で五種類あるそうですが、暗くてもうまく撮れたのは二種類のみでした。
それにしても、地味な外観と比して豪華な内装でした。
林国蔵氏は岡谷で蚕糸業を始めた後、都内に居を移して火薬商として活躍したため、この邸宅はあまり使われず、いい状態を保てたそうです。

そして棟続きの洋館へ。
背の高い窓に、天井蛇腹、さすがにこの建物は洋館らしい内装です。

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照明を吊る部分の装飾は、深さのある手の込んだもの。
漆喰でこれだけの立体感を出すのは、相当の腕だったんでしょうねぇ。
ちなみにこの天井にも、金唐紙が貼られています。

洋館の二間続きの間には扉があり、扉上にも装飾が。

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寄せ木の床はときどき見ますが、壁の下部まで寄せ木なのは珍しいです。
縦方向に普通に木が張られている建物は、ときどきあるんですけど。

外からこの洋館を見ると、ところどころ装飾が剥がれかけ、少々かわいそうな姿。
まぁ、変にピカピカに修復されるよりは、年月を感じていいんですけど、構造材が腐食しない程度は手入れをしておいてもらいたいものです。
漆喰壁に隅石風の装飾、明治期の擬洋館ですね。

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4時半閉館のところ3時40分頃着いても、ちょっと時間がないけど、と言われつつ案内してもらいましたが、確かになかなか見応えのある建物でした。
3〜11月の火水土日曜日のみ公開されています(前回は2月で冬季閉館)。
場所や概要は、岡谷市観光HPをご覧ください。


後は、ROY氏とこのエリアに来たらの定番を。
諏訪市にある片倉館。 昭和3年築の洋館ですが、こんな形で温泉施設です。

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蚕糸工業の従業員の娯楽施設として建てられた温泉で、ウソか本当か温泉に浸かる時間を短くさせるためといわれる湯船は、立って入るスタイルです。

ゆっくり浸かって、駅前の百貨店で買い出し。

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帰りもスーパーあずさ号でした。
押し寿司やさつま揚げ、お総菜とビール。
甲府あたりまで飲みながら反省会(?)をして、後はウトウトと。


そんなこんなのリベンジ旅でした。
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Commented by azmomohiro at 2006-10-22 22:44
こんばんわ
建築の事は全然わかりませんが
素敵な建物って事はわかります。
それより、私には最後の2枚がグッと来ますね
最近電車に乗る事がない物でこの様な
場面が有りませんね。(ちょっと寂しいかも)
Commented by gop at 2006-10-23 06:57 x
片倉館、あの玉砂利の足裏への刺激がたまりませんね。
Commented by ck at 2006-10-23 16:01 x
片倉館、最近狙っているところです。是非行ってみたいなあ~。金唐革紙、岩崎邸で、復元がいかに難しいか、、という特集を見ました。それがオリジナルで残っているなんてすごいなあ!玄関の感じ、かなりボロってますが、素敵そう。。
Commented by Celeste at 2006-10-23 21:51 x
金唐紙というのですか。革の代わりに和紙を使うってのもまたステキですね!今でもそうですが、手の込んだ建築物には圧倒されますね。といってもokurumaさんのエントリーでしか見ていないんですけど(^^;)
Commented by okuruma1970 at 2006-10-23 21:59
>>azmomohiroさん
建物も美術品の一つと見れば、素敵か否か、尺度はそれだけですね。
私も、素敵というか、好みか否かで、見たいターゲットを決めています。
電車の醍醐味は、帰りのお酒。 こればかりは車では味わえませんものね。

>>gopさん
そうですね、玉砂利は気持ちいいですよね。
私も意味もなく行ったり来たりと歩いたりします。
Commented by okuruma1970 at 2006-10-23 22:10
>>ckさん
片倉館は、2階の休憩室(別途料金)も利用できます。 夕方帰り際にひとっ風呂というのも悪くないですが、一度は3時ぐらいに行ってみてください。
金唐紙、金唐革紙、どちらが正しいんでしょうねぇ。 私も後者だと思っていたのですが、最近は結構前者をよく目にします。
林国蔵邸はオススメですが、12〜2月は休館ですので、ご注意ください。

>>Celesteさん
和紙+漆で、革の代用ができると考えた人ってスゴイですよねぇ。
今では何百億円かけても規模を求めるだけで、日本では造りの良さを追求した建築物は成立しないようですね。 職人集めの難しさと人件費の高さのせいかな?
お気に召した建物があったら、ぜひ何かのついでに立ち寄ってみてくださいね。
Commented by ROY at 2006-10-23 23:43 x
リベンジ&紀行文執筆お疲れさまでした。こちらは多用にかこつけてサボっていますが、おクルマさんのを読んでいたら、何だか自分のを書くのが恥ずかしいような気もしてきました。次の土日こそは空いているので何か書きたいと思いますが、この件以外にもいろいろネタが溜まってるんですよねぇ。
片倉館は定番中の定番ですが、思い出したように行きたくなることがあるんです。ところで伊勢屋からもう一ヶ月なんですね。またよろしくお願いします。
Commented by okuruma1970 at 2006-10-24 22:35
>>ROYさん
その節はお疲れさまでした。
こちらはこちらで視点が偏ってますので(笑)、また別の偏った視点で。
もう一ヶ月なのか、まだ一ヶ月なのか、ずいぶん前のことのようで、月日の流れをやたら早く感じます(歳か?)。
Commented by どしる at 2006-10-29 01:16 x
最後の温泉施設が良いですね。面白そうですね。
樽型歪曲の強い写真はワイコンで撮ったのでしょうか。
Commented by okuruma1970 at 2006-10-29 17:24
>>どしるさん
さすが目の付け所が違いますね。
あの階段の写真は、歪曲が強くて1年で手放したOLYMPUSのデジカメで、以前撮ったものです。
歪曲を使った芸術性の高い写真が撮れれば面白いのだと思いますが、写実的に撮ることしか能がないので、歪曲が少ないレンズを求めてE5000に乗り換えたのでした。
Commented by どしる at 2006-10-31 00:00 x
いえいえ、目の付けどころだなんて。自分はどうもピントがズレまくってるので…。さてさて、確かに凄い歪曲ですね。これは使いこなすのが難しそうです。魚眼くらいになっちゃえばどこか吹っ切れて使えそうな気もするのですけど、ちょっと微妙な感じですね。
何年か前はハイクラスのコンデジというとオリンパスが一歩リードしてましたよね。自分はデジカメに手を出したのは意外と遅くて、理工のCaplio GXが最初の機種でした。パープルフリンジがキツい機種でしたが安価で写りの良いワイコンが揃ってたりと、なかなか面白いカメラでした。

P.S.もし良かったら今度誘って下さいね。
Commented by okuruma1970 at 2006-10-31 00:30
>>どしるさん
28mmデジカメを言い当てたり、ご覧いただいている方々は、審美眼を備えた方が揃っています。
水平だったらともかく、見上げた角度の樽型歪曲なので、尚更なのでしょう。
C-3100といって、ワイコンが付けられる安いモデルを買ったら、結局は安物買いの・・・になってしまいました(苦笑)。
先日の箱根のように、思い付いたら即みたいな行動パターンですが、よろしければ次回はぜひ。
Commented by どしる at 2006-11-02 01:12 x
審美眼!良い言葉ですね。あまりに上品すぎて自分には似合いませんが(笑)自称「歩く物欲」ですので…。それでもC-3100と言えば当時は高級機でしたよね?
思い立ったら即行動、自分も昔から同じです。ぜひぜひ。
Commented by okuruma1970 at 2006-11-03 21:00
>>どしるさん
デジタル一眼を手に入れて、レンズが欲しくなるお気持ち、よくわかります。
C-3100を買ったときには上級機がありましたが、登場時はそうだったのかな?
鉄系や建物系の外出の際は、前日でも(笑)声を掛けさせてもらいますね。
Commented by どしる at 2006-11-07 00:13 x
おクルマさんもデジ一の世界へぜひぜひ。お待ちしてます。
鐵、建物、グルメ、物欲系外出(笑)の折はいつでも呼んで下さい。
Commented by okuruma1970 at 2006-11-07 23:14
>>どしるさん
一番の理由は先立つものですが(苦笑)、一眼を手にしなくなった理由、重くてかさばることを考えると、なかなか踏み出せませんねぇ。
要は、私が出掛けるときはいつもってことですか?(笑)
Commented by どしる at 2006-11-09 01:21 x
こんばんは。
一眼に単焦点、意外と嵩張りませんよ。どうやらニコンからD40という一眼も出るそうですし。ここは一つ如何ですか?幸せになれますよ。
http://www.kenrockwell.com/nikon/d40.htm

>>要は、私が出掛けるときはいつもってことですか?
済みません、大笑いしてしまいました。
お互いにその辺は似てますね(笑)
馬車は全然敵いませんが…。また遊びましょう。
Commented by okuruma1970 at 2006-11-09 22:42
>>どしるさん
ご紹介いただいたD40は、お値段、性能的にも申し分なさそうですね。
でもどしるさんを見ていると、一瞬の幸せの後、泥沼のような気も・・・(苦笑)。
似たもの同士、ぜひぜひ遊びに行きましょう。
by okuruma1970 | 2006-10-15 18:54 | 国内旅行記 | Trackback | Comments(18)

Peugeot306CabrioletとPorscheBoxster987のオープンカー2台生活だったのがBoxsterを手放したので本当は1台だけ、といいつつただの旅日記かも


by okuruma1970