洋館ウエディング

従兄弟が、洋館をファサード保存した東京銀行会館で結婚式を挙げたとご紹介しましたが、もちろん洋館好きな私が探さないわけではありませんでした。

レストランウエディングでは、小笠原伯爵邸フェリーチェガーデン 日比谷などがありますが、定番コースが用意されているというよりは、一つ一つこだわって決めていく雰囲気でした。

式そのものは概ね定番でというと、やはりホテルウエディングに行き着きました。
その中で、私の頭の中にあったホテルが2つ。
ウエディングフェアというか結婚式場の下見会が毎月(週末の仏滅?)のように行われていたので、もう1年半以上前の話ですが、見てきました。


1つ目は、グランドプリンスホテル高輪にある貴賓館という建物で、明治41年に竹田宮邸として建てられた洋館です。
常設のレストランなどはなく、結婚式等で会場を借りないと内部を見られない建物です。

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片山東熊という皇室建築専門の設計家による建物で、他に迎賓館や東京・京都・奈良帝室博物館(現在の国立博物館)も彼の設計です。
ちなみにプリンスホテルとは、戦後に皇籍離脱した旧宮家から買い上げた(Wikipedia曰く「安価で買い叩いた」)土地にホテルを建てたことから、名付けられたそうです。

元の正面玄関はモザイクタイルが敷き詰められていますが、結婚式専用なのか、普段は締め切られているようです。

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玄関は扉上にアーチ窓を備えて、各窓に装飾された金柵が取り付けられた雰囲気あるもの。
扉の横には手洗い用なのでしょうか、花でも飾るのでしょうか、ボウル状に凹んだ部分があって、その周囲にも装飾がされています。

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玄関ホールにはシャンデリアが吊り下げられていて、その取付部分には見事な漆喰細工。

ホールや廊下は、白とベージュの淡いコントラストで塗り分けられていて、とても落ち着いた雰囲気です。 両側には装飾柱が立っています。

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1階には、チャペルとして使われている元の食堂がありました。
玄関室とは異なり、深い色の板で壁が構成されていて、重厚な空間というか、厳粛な結婚式が執り行われるのに一番ふさわしい空間でした。

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内部のハイライトは、やはり玄関ホールから見上げた階段です。
ステンドグラスは、海に浮かぶ帆船(ヨット?)とカモメ。
この建物が建てられた当時は、バルコニーからこのような様子が見られたのでしょうか。

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ステンドグラスを横目に2階に昇ると、元は御座所だったメインの披露宴会場があります。
バロック調というようですが、ベルサイユ宮殿とかをイメージさせる天井や壁の装飾の数々は、さすが元宮家のお屋敷と唸らされます

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ただ、この元御座所では30人少々がいいところ。
宮家とはいえ普通の邸宅だったため、結婚式場のような大広間はありません。
その代わりといっては何ですが、扉で隔てられた続き間があります。
旧御学問所と旧御寝室がつながっていて、扉を開ければ、一応空間はつながります。

左下が御学問室ですが、学問するには少々派手なお部屋ですね。
右下は旧予備室です。

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御座所と御学問所、御寝室をつなげると、一応60人少々の披露宴が行なえるようになりますが、扉1枚分でつながっているだけなので、新郎新婦と来賓と友人が1室、新郎側と新婦側が2室に分かれた、ちょっと距離にある披露宴になってしまうのが実態です。

この手のお屋敷に付きものなのが、バルコニー。
左下が細い列柱で軒を支える2階部分、右下が石組みアーチが重厚な1階部分です。

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1階バルコニーから階段を下りると噴水のある池があって、水上結婚式もできるとか。

そんな庭側の外観は、こんな感じ。
やはり、師であるコンドル作のお屋敷に通じるものがあるかも知れません。

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というわけで、建物の素晴らしさに、3度ほど足を運んでずいぶん悩みましたが、出席者が計70人と見込んだ私たちの結婚式では、3部屋に分かれてしまうことになります。
あとは、お値段も実際に挙げたホテルより相応に高かったというのも・・・(苦笑)。
ここで挙げたければお金は出すよと両家からありがたい言葉はあったものの、結局は3分室がネックとなり、残念ながら候補から外れてしまったのでした。



もう一つも、同じくプリンスホテルで、グランドプリンスホテル赤坂の旧館です。
こちらは昭和5年に建てられた、旧李王家東京邸です(宮内省内匠寮の設計)。
李王家とは李氏朝鮮の国王を務めた家系で、戦前の日韓併合で日本の皇族として扱われるようになったようです。
その王子(後に李王家継承)が日本の皇族・梨本宮王女と結婚して、住んでいたのがこの建物。

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左右非対称構成で、白い壁に大小様々な大きさの窓枠が並ぶ、変化に富んだ建物です。

外観で一番目を惹くのは車寄せでしょうか。
役所建築などでよく見る、とてもがっちりしたタイプです。
金属製の照明具も、手が込んでいます。

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窓は大部分が普通の開き窓である中、一部はハーフティンバー風に手斧で削った木骨を露出させ、しかも小さなテラス風になっていて、いいアクセントになっています。
階段部のステンドグラスは、竹田宮邸のような絵画風ではなく、区切られた格子の中を様々な色や柄をはめ込んでいるタイプでした。

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喫煙室と思しき部分は円形に突出していて、窓間の柱はねじってあるもの。
ここは、招待客の待合室になるようです。

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本当は館内を撮った写真もあったと思うのですが、ちょっと見付からず、外観のみです。

この旧館の披露宴会場は同じ建物の中にあり、一応70人程度は収容できるようですが、少々狭苦しかったのと、洋館らしい装飾はほとんどなく、敢えてこの建物で挙げる意味を見出せませんでした。
ちなみにこの旧館には、常設のフランス料理店のトリアノンとバーナポレオンがあり、結婚式でなくても利用することができます。


見て回ろうと思えば、もっと式を挙げられる洋館もあったと思いますが、相方が実際に挙げたホテルを気に入ったのと、時期的な問題もあり、洋館ウエディングは諦めたのでした。

赤坂のトリアノンは、そのうち食べに行ってみたいなと思っています。
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Commented by 56F3R at 2008-12-18 10:23 x
東急東横線大倉山駅の裏手の岡の上にある「大倉精神文化研究所」の建物がなかなか素敵な洋館でした。その周りには梅林があり
季節になると賑わいます。
Commented by okuruma1970 at 2008-12-19 22:30
>>56F3Rさん
大倉山記念館の名前を聞いたことはありましたが、気になっていざ調べてみると、実は長野宇平時の設計のすごい建物でした。
 http://o-kurayama.jp/guide/index.html
大倉精神文化研究所の図書館は、誰でも利用できるのですね。
梅がキレイな時期も魅力的ですが、その前の方が建物をゆっくり見られるのかもしれないなぁ、と(笑)。
by okuruma1970 | 2008-12-01 17:59 | 洋館探訪記 | Trackback | Comments(2)

Peugeot306CabrioletとPorscheBoxster987のオープンカー2台生活だったのがBoxsterを手放したので本当は1台だけ、といいつつただの旅日記かも


by okuruma1970