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那須周辺の洋館探訪

昨日5日(土)に、栃木県那須周辺の洋館巡りをしてきました。

箱崎の渋滞を回避して湾岸周り中央環状線で東北道に向かおうとしたら、分岐でボーッとしていて、常磐道方面の6号線へ。 慌てて外環道で東北道方面へ軌道修正。
と、前段はともかく、日光いろは坂が紅葉真っ盛りの晴れた土曜日だったので、東北道の大渋滞を覚悟していたのですが、2〜5kmほどの渋滞が3カ所ほどあっただけでした。
ただマイペースで走るサンデードライバー(ある意味、自分もですが)が追い越し車線をふさいでいたため、ペースは全く上がらず、3時間ほどかかって西那須野塩原ICに到着。

まずは、西那須野塩原ICすぐそばの、ホウライ千本松牧場へ。
大学4年のゼミ旅行で、ジンギスカンを食べに寄った憶えがあるなぁ。 でも今回は、ジンギスカンを食べるわけでも、牛の放牧を見るわけでも、乳製品を買うわけでもありません。
この千本松牧場は、明治時代に総理大臣を務めた公爵・松方正義が、この一帯を開拓した那須開墾社から譲り受けて始めた欧米式の大農場をルーツとしています。
その松方正義が農場内の別邸として建てた洋館が、今でも残っています。

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南面にサンルーム(増築かも)が広がる、1階が石造りで2階が下見板張りの洋館です。
明治36年に建てられ、翌年に当時皇太子だった大正天皇が宿泊しに来ていた際に、日露戦争で遼陽攻落の知らせで万歳三唱をしたことから、萬歳閣とも呼ばれたそうです。
現在でもこの一角は松方家の私有地のようで、近づくことはできませんが、解説板付きのウッドデッキから眺めることができます。

乳製品を買うわけでも、と書きながら、スモークチーズとソーセージとパンを購入。










お次は旧・山県有朋別邸を移築した、山縣有朋記念館。 ちなみに公爵・山縣有朋も総理大臣を務めており、また松方同様に同地で農場を経営していました。
左側の黒っぽい建物は、小田原の古希庵という別邸の洋館として、明治42年に武田五一の設計で建てられましたが、関東大震災で倒壊したため、震災翌年の大正13年に長男伊三郎氏によってこの地に移築されました。 移築時にサンルームを増設、また右隣の続き棟は昭和2年に孫の有造氏が増築したそうです。 栃木県の指定建造物です。
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内部は撮影禁止でしたが、特に目立った装飾はありません。 その代わり、各扉に施された山県有朋のイニシャルY・Aをもじった装飾が引き立っていました。




那須の別邸シリーズ最後は、道の駅「明治の森・黒磯」内の旧青木周蔵別邸です。
前二者と同様に青木農場を経営していた、明治時代に外務大臣を務めた子爵・青木周蔵の別邸。 こちらは明治21年の建築で、国の重要文化財に指定されています。
南面にベランダを設け、別邸らしく用途を避暑に限定しています。 中央を頂部として左右へなだらかに下がるスタイルですが、左右対称ではなく、増築に次ぐ増築にも見えてスマートではありません。 外壁は白いウロコ状の人造スレートで覆われていています。

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珍しいのが設計者の松ヶ崎萬長(つむなが)で、明治4年に岩倉使節団とともにドイツに留学し、帰国後にドイツ建築を広めた建築家です。 松ヶ崎の設計による、国内に現存する唯一の建物だそうです(あとは台湾の新竹駅舎)。 今、手許に資料がないので詳しく書けませんが、誰ぞ高貴な方の御落胤とか謎めいた人だったようです。
建物について詳しくはこちらを、また農場や建物、施主と設計者について書いた本もあるようです。



最後に向かったのが、日光東照宮そばにあるレストラン「明治の館」。
那須から日光へは、高速に乗らなくても1時間少々でたどり着けます。
6時半頃着いたので真っ暗ですが、外壁に大振りの石が貼られた3階建てで、アメリカ人貿易商F.W.ホーンの別荘として、明治末頃に建てられたそうです。
館内はキレイに保たれていますが、暖炉がある落ち着いた雰囲気です。

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お目当ては、「オムレツライス」。 私はもともと味覚がお子様なのでこの手の食べ物が好きですが、ケチャップ風味のチキンライスにフワフワ卵のオムレツ(エビ入り)が載せられ、さらにデミグラスソースが掛けられています。 味、ボリュームとも大満足でした。
湯葉と干瓢のサラダ(生春巻き風)やチーズケーキも有名なようですが、4,000円〜のコースもあります。

那須ではお天気、気候とも良かったのですが、紅葉にはちょっと早かったようです。
帰りはかなり遅くなってしまいましたが、特に渋滞もなく順調でした。


さてBoxsterですが、途中で再慣らし2,500kmを越え、6,500rpmまで回してみました。
今回は峠道はなかったので、高速での料金所ダッシュや追い越しぐらいでしか試せませんでしたが、音といい加速といい気持ち良かったです。

那須周辺の洋館探訪_d0054855_1739756.jpgただ一点気になったのが燃料計と燃料タンク。 いつも行く近所のスタンドまで持ちそうになかったので、空っぽ直前(残量3Lぐらい)になって1,000円分(7L少々)だけ給油したのですが、残量が増えず警告もそのままだったんです。
そのうち反応するだろうと思って走っていた挙げ句、残り走行距離が16kmから「−−km」になってしまい、慌てて満タン給油したのでした。
わずかばかりの給油だと、偏り防止の縦板に遮られて燃料計センサーに届かないだけならいいのですが、燃料ラインが空気を吸ってしまうと怖いですね。
今度、燃料タンクの構造を聞いてみようと思います。
ちなみに満タン給油したら、フルタンク64Lから先ほどの給油量を引いた56Lほどでした。 さすがに漏れていたわけはないです(笑)。


ただいまの総走行距離 5,720km(再慣らし2,660km)




Commented by COOPER99 at 2005-11-06 21:05
TVの影響でしょうか、混んでいるって出たのでみんな敬遠したのかな。
空いていて良かったですね、慣らしも順調のようで。
Commented by giacomo_pcn at 2005-11-06 22:39
着々と洋館巡りされていますねっ。どの建物もみんなステキです。
当時の宰相が住んでいたということならば、すごくて当り前かもしれませんが、こういう木造建築がその後ボクらのような平民(笑)にまで広まって、こんな家々が今立ち並んでいたらステキだったろうなって思います。
Commented by okuruma1970 at 2005-11-07 20:04
>>COOPER99さん
日本人は好んで混んでいるところに行くような傾向もありますが、この週末はうまくいったのでしょうか。 いつもこうあって欲しいものです。
おかげさまで部品取替え後は好調で、もうすぐ慣らしも終わりそうです。

>>giacomo_pcnさん
植栽が落葉して写真が撮りやすくなる、これからがシーズンです。
明治の重鎮宅というのもありますが、別邸というのも特別な雰囲気ですね。
こういう建物が建ち並んでいると、おとぎの国のようですが、神戸の北野ってこんな感じかもしれませんね。
Commented by ahioh at 2005-11-08 01:05
私は建物のことは分からないのですが、古いもの、当然建物もですが、なんとも言えない素敵な魅力を感じてしまうのはなぜでしょうか。
ボクスターに不満はないのですが、次に買い換えるとしたら古い車に行ってしまいそうです。(^^;)

燃料タンク。
セルフ給油で満タン状態にした後、給油機を戻している間にあふれ出してきました。(;_;)
タンクが冷えて、縮んでしまったのでしょうか?
Commented by okuruma1970 at 2005-11-09 00:20
>>ahiohさん
古いものには無駄があったり、逆に本当にシンプルだったり、最近の計算し尽くされたデザインとは違うからいいのかなぁ、と思ったりします。
私はBoxsterを買う1年ほど前に、1970年前後の旧車を買おうと思ったことがありました。今でも欲しいなぁと思う反面、何が目的で買うんだ?という自問も。

溢れ出しは、寒い日だったのでしょうか? 車によっては、給油機で1度止まったら追加しない方がいい、というのもありますね。
Commented by gop at 2005-11-09 06:25 x
小学校の遠足から明治村には良く行って、古い洋館も身近には感じていたのですが、まだまだ残っているのですね。東北道方面は最近ご無沙汰なので温泉と合わせて行って見たいです。

私1970年代のクルマも囲ってますが、魅力はそのスタイリングに尽きますね。安全や省燃費で失った物も少なからずあると思います。
Commented by okuruma1970 at 2005-11-09 08:23
>>gopさん
明治村には日本中で貴重な建物や特徴的な建物が移築されていますが、 各県や市町村として意義ある建物はそれぞれ保存していますから、意外なほど多いです。
ハコスカGT-Rが明治村級で、普通のハコスカが各地で保存されてる感じでしょうか。
変に改造されていない普通のハコスカの方が、ある意味では貴重だったりしますしね。

117は流麗ですよね。子供の頃はガイシャかと思っていました。
最近のスタイリングは、生産効率に足を引っ張られているようにも思えます。
製品は印象に全く残らないけれど、生産効率を追求して連結経常益1兆円とか。
Commented by tomtomtoms at 2005-11-09 11:23
こういう建物わたしも大好きなのですが、長崎とか函館などは言ったことがあるのですが,那須というのは新鮮でした。今度行ってみたいと思います。いつも見てて思うことなのですが、わたしたちの見るこういう建物って当然50年以上のときが流れていてそれがまた味が出ていていいのだと思いますが、立てられた当初の木の色や勢いのある状態でみてみたいとは思いませんか。お寺回りをするときにもそんなことを思うときがあります。そのときそのままの風景で見れたら感動もまた違ってくるんじゃないかと思います。でも古いというのに意味もあるとは思います。tomtom
Commented by k-reflex at 2005-11-10 09:27
結構頻繁に建築探訪されてるんですね。ボクも洋館好きで意味もなくステーションホテルに泊まったりしたことあります。昔は藤森教授の著作も読みふけりました。クルマで地方の洋館オフとかも楽しそうですね~♪
Commented by okuruma1970 at 2005-11-10 18:51
>>tomtomさん
有名どころは結構行き尽くしつつあるので、最近はマイナーどころ狙いです。
レトロという意味での洋館もいいのですが、ハイカラなデザインで造りが凝っているところも好きなので、私も建てられた当時の雰囲気を感じてみたいと思うことがありますね。
今は稀に観光客が来るだけだけど、当時は活気があったんだろうなぁ、とか。

>>k-reflexさん
k-reflexさんも洋館お好きなんですか。
私の洋館巡りは、最近は空白地帯の落ち穂拾いなのでペースは落ち着いていますが、年間100件ペースを数年続けていました。
こんなHPも作っていますので、よろしければご覧ください。
 http://homepage2.nifty.com/youkan-tanbou/
manakaさんとも洋館オフのお話をしていたので、ぜひぜひ。
by okuruma1970 | 2005-11-06 18:17 | 洋館探訪記 | Trackback | Comments(10)

Peugeot306CabrioletとPorscheBoxster987のオープンカー2台生活だったのがBoxsterを手放したので本当は1台だけ、といいつつただの旅日記かも


by okuruma1970