今週末の土曜日、大井川鐵道へ行ってきました。
新潟勤務時代の同僚とは、新潟にいたときはもちろん、東京に戻ってきてからも何度か一緒に出掛けていますが、『大井川鐵道に行くんですが、一緒に行きませんか』、と10日ほど前に連絡があり、たまたま相方が休みで子守りを任せられたので、行くことができたのでした。
東京駅を朝6時半発のこだま号で静岡まで。
元同僚は新潟から前日に上京していて、前夜も久々に一緒に飲んでいたので、早朝出発は少々堪えました。
さすがに朝はノンアルコールで、お茶とおにぎり。
静岡駅からは東海道線の各駅停車でさらに金谷駅まで。
前から3両は25~30年選手の211系でしたが、乗った後ろ3両は5~15年選手の新しい313系でした。
金谷駅から、大井川鐡道で1駅の新金谷駅へ。
新金谷駅舎は大井川鐡道の本社を兼ねており、下見板張りの建物は大正15(1925)年の建築。
正面右手の窓枠はアルミサッシに取り替えられていますが、左手の上げ下げ窓は木枠の古いものでした。
大井川鐵道に来たのは、
2004年6月にROY氏と来て以来、14年ぶり。
当時はまだ名古屋鉄道のグループ会社でしたが、赤字経営が続いたこともあり、北海道でホテルを経営するエクリプス日高という会社に経営権が移り、平成27(2015)年から経営再建に取り組んでいるそうです。
新金谷駅併設のSL整備施設を有料で見学できるようになっており、500円を払って有料エリアへ(缶バッヂのお土産付)。
大井川鉄道ではほぼ毎日、SLが牽引する列車を運行していますが、この日のSLはC10-8。
煙突を集煙装置のようなものに接続していましたが、近隣住宅に配慮しつつボイラー圧力を上げているのでしょうか。
SL整備庫の中では、C11-190がロッドを外して整備途中でした。
その他、新金谷駅構内には、元南海の21000系や元東急(前十和田観光電鉄)の7200系なども留置してありました。
派手な塗装の電気機関車は元西武鉄道のE31形で、昭和60年代製なので新しく見えますが、それでも30年選手。
母方の祖父母が西武線沿線に住んでいて、何度か見たような覚えが。
そして、この日、大井川鐡道が大混雑していたメインターゲットが、この
機関車トーマス。
テレビアニメ同様に、ボイラー室の扉には顔が取り付けられ、水色に塗られていますが、元はC11-227というれっきとした国鉄型蒸気機関車で、昭和51年から大井川鉄道で復活運転を始めた蒸気機関車です。
ターンテーブルの周りには、子供連れの親子やジジババなど大勢がカメラを構えるなど大人気。
平成26(2014)年から夏季限定で運行されているようですが、今年は初運転だったこともあり、テレビカメラも来ていました。
トーマスが牽引するSL特急列車の指定券は大人気で売り切れていましたが、元同僚が
ネット予約していた普通のSL急行列車の急行券を買って、再びJR東海道線との乗換駅である金谷駅へ。
大井川鐡道にはフリー切符がいくつかありますが、この日は
大井川周遊きっぷ・2日間用(4400円)を購入。
新金谷駅からは、当日朝に新潟を出てきた元同僚の同僚(私は知らない人)が合流し、3人での行動となりました。
もっとも、元同僚とこの方とで出掛ける話に、私がお誘いを受けて、乗ったのですが・・・。
乗り込んだのは、元近鉄の16000系。
近鉄の大部分は標準軌(1435mm)ですが、狭軌(1067mm)の南大阪線用特急電車を譲り受けたそうです。
さすが元特急車だけあって、クッションが効いている回転クロスシートは快適。
『混雑するので、席は詰め合わせてください』とのアナウンスでしたが、途中駅では通路に立ち客が溢れるほどの混みよう。
千頭駅の
トーマスフェアへ向かったり、上りのトーマス列車に乗る家族連れや、下りトーマス列車の写真を撮った撮り鉄の方々のようでした。
終点の千頭駅まで1時間少々。
千頭駅では、わずかな乗り継ぎ時間で
井川線に乗り換えました。
井川線は、大井川上流のダム建設のために中部電力が敷設した路線を、大井川鐡道が引き継いで営業しているようです。
ダム建設資材を載せた貨車を大井川本線から直通させるため軌間こそ1067mmですが、急峻な山岳路線で急曲線やトンネル断面を小さくするため、本当に小さな車体です。
この下り方先頭車には運転台がありますが、上り方に連結されたディーゼル機関車を制御して、押し上げる形で運転しています。
車内は、2列+1列の座席配置ですが、座席幅は40cmもない狭いもので、2列席は知らない人と一緒に座りたくないほど。
紅葉の時期とか、最盛期にはそういう状況になることもあるのかもしれませんが、土曜日でもそこまで混みませんでした。
14年前の前回同様、先頭車に乗り、前面眺望を楽しみました。
大井川本線では、40年選手とはいえ空調完備の元特急電車だったので、早起きしたこともあり、ウツラウツラしているうちに終点に着いてしまいましたが、この井川線の車両には空調がなく、窓全開ということもあって、変化にとんだ景色を楽しみました。
左右に木々が生い茂り、林道さながらの細い軌道です。
途中のアプトいちしろ駅では、後ろに電気機関車2両を連結します。
アプトいちしろ駅から、次の長島ダム駅までの間は、国内最もきつい90パーミルという急勾配区間です。
見るからにきつそうな坂道です。
そのため、レールと車輪の金属同士の摩擦だけでは上り下りするのが難しいらしく、レール間に設けられたラックレールに、電気機関車の台車に取り付けられた歯車を噛み合わせて登っていきます。
レールとレールの間の、ラックレールがわかるでしょうか。
こんな感じで、大きな電気機関車が小さな客車を押し上げていきます。
長島ダム駅で電気機関車は切り離され、そこから先は再びディーゼル機関車に押されて進みます。
奥大井湖上駅へは、ダム湖の上の景色良い一本橋を渡っていきます。
そして、1時間少々かけて(暫定)終点の閑蔵駅に到着。
本来は次の井川駅が終点なのですが、今年のGW明けに大雨による土砂崩れによって、
閑蔵~井川間が不通になってしまったようです。
【追補】2019年3月に復旧し、現在は千頭〜井川間の全線で通常運転しています。
折り返し列車は1時間半後ということだったので、並行して走るバスでとんぼ返り。
大井川鐡道グループのバス会社が運営するバスなので、大井川周遊きっぷで乗れました。
ちなみに、バス好きな元同僚いわく、珍しい車種なんだとか(路線バスのシャシーに観光バスの車体を架装とかなんとか)。
急峻な山岳路線を1時間少々かけてノンビリゆっくり走ってきた千頭~閑蔵間を、バスではあっさり30分ほど。
道路もしっかり整備されており、旅情を考慮しない合理的な判断としては、バスで十分と思います。
ということで、大井川鐡道井川線の閑蔵駅まで行き、バスで千頭駅まで戻ったところで、長くなったので前編を終わりにします。