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伊那・木曽巡り

土曜日に、伊那・木曽方面にドライブに行ってきました。


中央高速と国道20号、そして諏訪湖から天竜川に沿って国道153号で南下。
駒ヶ根市郷土館として使われている洋館を見学。
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大正11年に旧赤穂村役場として建てられ、昭和46年まで駒ヶ根市役所として使われていました。
現在は郊外の駒ヶ根高原に移築され、木に囲まれてひっそり残っています。
いわゆる民俗資料館と同じで、古民具や農具などが展示されています。

ここからさらに南下して、飯田市から山を越えていきます。
駒ヶ根市や飯田市がある天竜川沿いの伊那地区と、南木曽町や中津川市がある木曽川沿いの木曽地区の間には、中央アルプスがそびえていて容易に行き来できませんが、何本かある山越えの1本である大平街道で越えました。
ちなみに一般には、中央高速の恵那山トンネルで越えます。
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いちおう一桁県道で全線舗装されていますが、センターラインもない細い山道です。
ただ他の車に追い付き追い越されることはなく、対向車も比較的少ない程度の交通量です。
飯田市では30度近くあった気温は、大平峠では21度。 涼しかったです。










国道256号で木曽川沿いに降りてくるとあるのが、中山道の宿場町であった妻籠宿です。
長野県の南端、南木曽(なぎそ)町にあります。
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高度成長期の昭和40年代から古い宿場町の保存を進めた、街並み保存の先駆けです。
妻籠宿のある旧街道は鉄道(中央本線)や国道(19号)から数キロ離れていて、経済成長に取り残されたような形で残った古い街並みを、逆手に取ってアピールしたそうです。
地方都市は、目論みに反して結果的に街が衰退してしまう高速道路や新幹線を引くよりも、無いことを逆手に取る発想っていうのができないものですかねぇ。

ちょっとかき氷でも、こんな懐かしい雰囲気のお店でいただけます。
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日本人だけでなく、中国なのか台湾なのか韓国なのか、顔が似た隣国の方も来ていました。
住んでいる人達は不便で、保存にお金がかかる一方で、ちょっと観光地化されすぎている感じもありますが、日本らしい古い街並みを残してもらいたいものです。


一山越えると、馬籠宿も同じように残されています。
ちなみにその一山に県境があり、この馬籠宿は岐阜県中津川市です。
妻籠宿が平らな普通の宿場町なのに対して、馬籠宿はかなり高低差がある坂の宿場町です。
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街の全長は550mとのことですが、イメージ的には高低差50mぐらいありそうな感じです。
島崎藤村は両宿場町にゆかりがあるらしく、記念館があります(個人的には興味なし)。
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お店の外観と実際に食べたお店は違いますが、建てられた時期や内装はともかく、古めかしいお店でそばや五平餅がいただけます。
この五平餅は、焼き鳥のつくねのような3つ団子の変わったものでしたが、風味あるごまだれでとてもおいしかったです。


再び南木曽町に戻って、洋館見物。
銘木として木曽檜というのを耳にするかと思いますが、それらの山林は尾張徳川家から天皇家に移管されました。 この建物は御料林を管理する御料局名古屋支庁妻籠出張所庁舎として建てられ、現在は山の歴史館として林業の歴史について展示しています。
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明治33年に妻籠宿の本陣跡に建てられたそうですが、二度の移築を経て現在は木曽川沿いに建っています。
役人が使う正面玄関には玄関ポーチがあり、立派な柱頭があります。 ちなみに一般庶民は、写真中央の茶色い扉からしか出入りを許されていなかったとか。
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屋根の軒を支える持ち送りは、張り出しが長くて形状が珍しい気がします。
事務室は天井が高く、広々しています。
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天井四隅の通気口には、菊の紋章の形をしています。 さすが御料林事務所。

お隣には、福沢桃助の別邸であった福沢桃助記念館が建っています。
福沢桃助とは、慶應義塾で福沢諭吉に見込まれて婿養子となり、木曽川流域の水力発電所建設を進めて電力王と言われた人だそうです。
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この別邸は大正8年にこの場所に建てられました。
土石流が起こるという地元住民からの忠言により、床下は鉄筋コンクリート組みらしき枠で、浮いたような格好になっています。
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マントルピース(暖炉)があり、和室は1つだけしかない洋館です。
2階のサンルームから、木曽川の流れを眺めていたのでしょうか。

車の後ろに見えるのが、桃助橋。
大正11年築の木造の吊り橋で、水力発電所建設の資材運搬のために架けられたそうです。
突然の大雨で渡れませんでしたが、橋脚部にトロッコ用のレールが残っているとか。
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揺れるんですかねぇ。
祖谷のかずら橋とか好きなので、ちょっと楽しみにしてたんですが・・・。


時間があれば、同じ中山道の奈良井宿赤沢森林鉄道にも乗りたいと思っていたのですが、時間切れ。 やはり遠いですねぇ。

帰りは、木曽町から伊那市に抜ける国道361号権兵衛トンネルで伊那側へ。
権兵衛トンネルは今年2月に開通したばかりのトンネルで、十年ぐらい前にルノー5でこのトンネルの上の権兵衛峠を越えたときは、国道の要件を満たしていなかったのか国道未開通部分の県道でしたが、細くて暗くて長い峠道だった憶えがあります。
少しはそんな部分も残っているかと思いきや、センターラインのあるいい道でした。

伊那市から高遠町、茅野市と抜け、お腹が減ってきたところで、久々に富士見町のカントリーキッチンへ。
今から7・8年前、友人と富士見パノラマスキー場で自転車の丘下りをして遊んでいたのですが、その帰りにときどき食べに行っていました。
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山小屋風のレストランで、おいしいステーキが比較的リーズナブルにいただけます。
8時ラストオーダーだったのですが、ぎりぎりセーフでした。
ベーカリーもあり、おいしいのですが、予約しないと買えなかったような憶えが。
八ヶ岳の別荘や保養所に泊まる人達が利用するお店のようです。

帰りは国道20号と中央高速で、特に渋滞もなく帰宅。
途中雨が降ったりやんだり、ところによっては結構な豪雨という変なお天気でした。

それにしても、よく走った1日でした。


ただいまの総走行距離 9,820km (もうすぐ1万キロ)




Tracked from おすすめ家族旅行村【全国】 at 2011-05-15 17:18
タイトル : 駒ヶ根高原家族旅行村アルプスの丘
おすすめ家族旅行村【全国】です。家族旅行村など子供、赤ちゃん連れ旅行におすすめのホテル、旅館、キャンプ場などを紹介しています。を紹介しています。よかったら遊びに来てください。ご迷惑でしたら、お手数ですが削除お願いします。... more
Commented by mipple11 at 2006-08-27 22:19
この辺り、中央道で通ったことがあるだけで未開の地です。
我が家からは中央道へのアクセスが悪いので、なかなか行こうという決心が付かないんですね。
でも皆さんがいろいろご紹介されているのを見ると、それだけで行った気になってしまうのも悪いクセです(笑)
しかしやっぱり自分の目でみることが大切ですよね! 
Commented by COOPER99 at 2006-08-27 22:46
おぉ、領海侵犯されていたとは、追撃に出ねばなりませんでしたな。(笑)
権兵衛トンネルは未だ通っていないのよねぇ、行かねばGOGO♪。
それにしても権兵衛とか大平とか、車ではきつい峠をよく行かれますな。
ひょっとして、酷道マニア?。(爆)大平峠は紅葉が素敵です、赤沢も
そうですのでリベンジに来てくださいねぇ。
Commented by shoot_head at 2006-08-27 22:47
どうしてもいつも湾岸線や東名が多くなっちゃうので、違う場所もいいですね~。ワタシはひっそりと箱根に行ってきたのですが、今日は箱根、すごい濃霧でした・・・(泣)
21度だとオープンドライブ楽しめますね!
最近の暑さと雨の降りやすさでなかなかオープンにできませんよねぇ。
Commented by okuruma1970 at 2006-08-28 00:24
>>mippleさん
意図して行こうと思わないと、立ち寄らない空白地帯かもしれませんね。
八ヶ岳や諏訪湖近辺にもいいところがあるので、中央道方面へもぜひどうぞ。
皆さんのレポは行った気になりつつ、私は結局この目で見たくなりますね。

>>COOPER99さん
迎撃体制は取っていたのですが、ポ車とはまったく遭遇せずでした(涙)。
権兵衛トンネルは快適極まりなく、拍子抜けしたほどでした。
似つかわしくない車に乗っておりますが、地図を開いてクネクネしている道を見付けると引き寄せられてしまう、酷道・険道マニアです(笑)。
紅葉の赤沢はキレイそうですね。 また行きたいなぁ。
Commented by okuruma1970 at 2006-08-28 00:31
>>shoot_headさん
この時期の海沿いは、浜辺も道も混んでいるので、高原へ行ってみました。
最近は晴れ間が続かないので、箱根は霧の日が多いのでしょうね。
薄曇りの高原ドライブが、この季節のベストでしょうか。 涼しくていいですよ。
Commented by gop at 2006-08-28 18:09 x
木曽は中山道宿場町のイメージしかありませんでしたが、この様な洋館も残っているのですね。この辺りは趣味の都合で(笑)子供の頃良く通ったのですが、当時は全く泊まる事はありませんでした。
数年前、奈良井、妻籠、馬籠と古い旧旅籠宿に泊まり、先日木曽福島〜上松と巡って赤沢に泊まりましたが、なかなかに良い所です。次回は是非お泊まりで。

Commented by okuruma1970 at 2006-08-28 23:05
>>gopさん
宿場町は旧市街地なので、ポツンと洋館が建っていたりするんですよ。
これらの旧宿場町には、昔ながらの旅籠が何軒か残っているようですね。
落ち着いたノンビリ旅を楽しめる、優雅な大人になりたいものです。
と言いつつ、好き好んで強行旅行を楽しんでいるのですが・・・(笑)。
数年来、赤沢リベンジを画策している友人と、今日から計画を練り始めました。
Commented by ROY at 2006-08-28 23:44 x
長野県は県自体が広いので、何箇所か廻ろうとするとどうしても時間切れになってしまいますね。1日あたり2,3箇所にとどめたほうがいいのでしょうか。

「カントリーキッチン」に反応してしまいました。
Commented by okuruma1970 at 2006-08-29 15:28
>>ROYさん
そもそもこの距離を日帰りで周遊しようというのが間違ってましたね(苦笑)。
周遊なら宿泊、日帰りならピンポイント、どちらか選ばざるを得ないですね。
カントリーキッチン懐かしいでしょ。ボリューム満点で、おいしかったですよ。
Commented by seiuchi-porsche9 at 2006-08-29 18:23
>昭和40年代から古い宿場町の保存を進めた
当時に、こうした保存を思いついた人を尊敬してしまいますね。時代と共に、何も考えずに生きてしまいました。今になって、振り返ると、こうしたことって、凄く大切なことだったのが判って来ました。ロンドンやパリなどの街並みを思い浮かべると、日本も大切にした方が良いものが、まだまだ沢山と残っているように思えます。ここは、いつも、僕のお勉強の場です(笑)。
Commented by okuruma1970 at 2006-08-29 21:09
>>セイウチさん
妻籠宿にしろ愛知の明治村にしろ、高度成長期にあって保存という一見後ろ向きにも思える活動を行なったのは、素晴らしい先見の目ですね。
経済の安定期に入り、本来はゆとりをもって経済成長の証を保存すべき時期にあるのだと思いますが、未だに多くのことが採算だけで判断されるのは寂しい限りです。
お仕事柄から保存優先は現実的でないとお考えの方も多いと思いますし、さらに株主相手に説明責任を負う立場になれば尚更でしょうが、私は仕事柄の制約もなくぺーぺーなので個人的に書きたいことを書かせていただいております(笑)。
by okuruma1970 | 2006-08-26 23:08 | 国内旅行記 | Trackback(1) | Comments(11)

Peugeot306CabrioletとPorscheBoxster987のオープンカー2台生活だったのがBoxsterを手放したので本当は1台だけ、といいつつただの旅日記かも


by okuruma1970